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メッセンジャー9


人情として、まず自分の安全確保を考えるのは当然のことだ。次に親しい者を守るのが順番だろう。恐らく、彼らの力の限界はそこまでなのだ。人々の救済に手を回す余裕がないのだ。

国を預かる者達が国民を守ることをおざなりにするしかなかった時点で、既に国家崩壊へのカウントダウンは始まっていたのだ。

あまつさえ、国は罪のない少女を拘束し拷問にかけるという暴挙に出ていた。それは政直にとって絶対に許し難いことだった。国を裏切るに値する悲劇だった。

しかし

少女は人ではなかったようだ。人語を解さない、人の形をした別の何かだった。キュウッキュウッという鳴き声をあげる他に出来ることのない、不可思議な生物だった。


思考しているうちに、政直は激しい頭痛に襲われた。頭の中で無数のパチンコ玉が乱反射しているような痛みだった。


強烈な頭痛と吐き気に襲われ

青白い月明かりの差す暗い廊下で

政直は昏倒して倒れた。





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