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東京ドーム居住区5
「へええ。聞きたいですね、色々と。是非」
聞いていることは4日前とあまり変わらなかったが、上原の反応は明らかに違った。
「佐渡さんの居た早稲田研究所って、ここの次くらいに『鉄板』が厚かったんですよ。花と戦う前線基地ともいえる場所でしたからね。だから、早稲田が落とされたって訃報が入ったときにゃ、お偉いさんたちの慌てぶりったらなかったですよ」
上原の語りの中で、早くも気になるキーワードがあった。
「鉄板って、何ですか?」
政直は逸る気持ちを抑えて静かに質問した。
「あれあれ。やだなあ佐渡さん、知らないんですか?
高級な居住区には、基礎に鉄板が入ってるんですよ。だって、地面から花が入ってきたらアウトじゃないですか。
まあ、貧乏人を詰め込むために造ったようなスラムには、申し訳程度の板しか敷かれてなかったり、酷いのになると建造費用をピンハネするために板が敷いてますって嘘付いて入ってないこともある、なんて噂もありますけどね。
なにせ、地面に埋めちまうものを掘り起こしてまで確かめようなんてヒマな奴はいないし」
この男は知らない。そもそも花が地面から侵入する危険というものが存在することさえ一般人には秘匿されていることを。ましてやその対策のために鉄板が埋められているなど、確認する前に知識がなければ発想すら浮かばない。




