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東京ドーム居住区2

東京ドームでの生活は多忙をきわめた。

何故か、聞き取りの時間が1日8時間を切ることがない。同じことを数十回となく聞かれ、似たような書類に数え切れないほど判子を押し、把握しきれないほどの書面に目を通さなければならなかった。

数日が経過し書類や聞き取りの仕事量は徐々に減って行ったが、その分だけ待機時間が増えて結局のところ自由に動ける時間がほぼゼロであることは変わらなかった。ただ待機しているだけなのに、警官が常にそばにいて取り調べ室に籠もらされたまま動きがとれない。


(監視されてるな)

政直はこの露骨な時間稼ぎに気付かないわけがなかった。

政直には有働の裁判で証言しなければならないことがある。ある程度の時間を拘束されることはやむを得ない。

だが、裁判のための書類を水増しした上にネタが尽き、それでも身動きを封じるために苦肉の策を繰り返していることが読み取れた。

(あっちの出方はわかった。問題は、わかっていても手がないことだ)

いち調査員でしかない政直には、自らの意志で警官を退かせる権限はない。それが明らかな時間稼ぎであるとわかっていても、言いなりになる他にない。



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