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調査隊10

「そのへんは、お前らに任す。すまんな、最期まで迷惑かけちまって……」


最初で最期にまともな口をきいた鮎貝に、ナオミは下手くそな最敬礼で応えた。

「鮎貝さん。元気で…っていうのも変ですね。

奥さんと、お子さんによろしく」


防護服を着てエアロックに入る鮎貝を、ついに政直は止めることが出来なかった。


「は~ながさいた~は~ながさいた~真っ赤な真っ赤な真っ赤な真っ赤な真っ赤な……」


鮎貝の陽気に歌う声が、通信機を切っているはずなのに聞こえてきた。

防護服の鮎貝はライオンのもとへと歩いていった。満腹になったばかりの肉食獣はすぐには新たな獲物に手をつけることをせず、花畑に大の字に寝転がった様子を漫然と眺めているだけだった。


政直は、仕事仲間が食肉となり果てる姿だけは見ずに済んだ。



「畜生…畜生……」

装甲車を運転しながら、政直は泣きじゃくり続けた。


「あんたのせいじゃないよ……」

ナオミが優しい言葉をかけてくれたのは、やはりこれが初めてのことだった。



赤い花弁が、夕陽に照らされながら無邪気に揺らめいていた。

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