調査隊6
一行は次の目的地へと向かった。
国内でも有数の動物園のあった場所だ。
勿論、現在では無人の地となっている。
この場所が調査対象に選ばれた理由は一つ。園にいた動物が、脱走しているという情報が入ったからだ。
管理する人間がいなくなった今、動物園は害獣製造工場と化している。
実態調査に乗り出したわけだ。
報告通り、そこではキリンやシマウマなどが無人の道路を闊歩していた。道路とはいってもアスファルトが半分以上は剥がれ、隙間を花が埋め尽くしている。草食動物たちにとっては食料豊富な地上の楽園なのだろう。
データ上では牡牝一つがいしかいない筈だったキリンが四頭確認された。繁殖したものと見て間違いないだろう。東京が花に沈んではや数年。人の思う以上に、事態はよからぬ方向に進んでいる。
政直が望遠カメラで写真を撮り、ナオミが音を拾う。分析結果はおそらくこうだろう。
東京で人間だけが除外された、新たな生態系が育まれていると。
政直がカメラでシマウマを追っていると、フレーム内にライオンが入り込んだ。
花と草を食べるのに夢中になっていたシマウマは、肉食獣の接近に気付くのがほんの僅かに遅れた。シマウマがその場を去ろうとしたとき、ライオンは既に速度を上げている最中だった。
あっ、と言う間にシマウマはライオンに捕まり、肉の塊にされてしまった。
「美しい……」
鮎貝が妙な事を口走った。
政直は嫌な予感がした。そして、予感は正しかった。鮎貝は防護服に着替え、エアロックへと向かった。
「鮎貝さん、なにやってんですか!?」
政直は驚いた。ここでの任務は動物の確認と撮影。装甲車を出なければならない用は、何一つ無い。




