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天使の歌10

政直は通信機から垂れ流された言葉を、一字一句再考してみた。

技術者を最後まで付ければ、間違いなくその人は命を捨てることになる。だが、有働が人命など意にも介さない人間だ。技術者には死んでもらうことを前提に話を進めかねない。

しかし、有働は致命的な間違いを犯している。政直がそばにナオミを置いているように、装甲車には運転士と副運転士の二名の搭乗が基本となっている。副運転士は補助もさることながら、有事の際には運転士を代行する。


しかし有働は副運転士の搭乗を嫌がった。一人で充分だなどと平気で秩序を乱す発言をはばからなかった。

ただし無罪を勝ち取っているとはいえ狂人の噂を立てられている有働は、誰もが副運転士を勤めるのを嫌がられていた。面倒になった政直は規則を曲げ、有働の我が儘を通してしまった。

つまり、不幸にも有働の提案により人身御供にされる副運転士は存在しないのだ。


(つくづくわけのわからない人だな)

装甲車には有働しかいないのに、誰に特攻させるつもりでいるのだろうか?……

(……!)

政直は気付いた。

技術者はいる。

有働が最も信頼しているだろう技術者は、装甲車に乗っている。

(……嵌められた!)

有働が副運転士の搭乗を拒んだ真意がようやくわかった。ただの変人の身勝手ではなかったのだ。

有働は全てを計画していたのだ。この時のため、有働は一人で装甲車に乗らなければならなかったのだ。


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