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調査隊4

政直は花粉のサンプルをピンセットで採取し、慎重に試験管に入れた。

 見た目はただの粉だが、通常の植物の花粉とは大きく異なる。見た目は花粉だが、実のところ『種』らしいのだ。花弁から飛び散るこの粉は、そのまま発芽するのだ。

 しかもこの種が発芽できる場所は、たった二種類しかない。

 地面か、人間の肺の中だけ。

 まことに意味不明なことに、人間以外の全ての動物の肺では発芽せずに、咳とともに排出されるのを待つだけである。

 人間と動物の間肉体には、遺伝子レベルでは瑣末な違いしか存在しない。ほとんどの動物のかかる疾患は人間にも何らかの形で影響を及ぼし、またその逆も成り立つ。

 だが、この花に関してのみ人間にしか害はないのだ。人間だけがこの花に屠殺され、他の動物には完全に無害なのだ。



それが証拠に

 政直がサンプルを取った後、一匹の野良犬が寄ってきた。

 首にはリードを付ける輪が残っていた。飼い主を失った犬なのだろう。そういう元ペットの動物は、相当な数がいる。皮肉にも、彼らが死骸となって見つかるケースは少ない。無害な食べ物なら、周りにふんだんにあるからだ。

  

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