106/122
希望の光18
(そんな、まさか……)
政直は戦慄に打ち震えた。
メッセンジャーの送られた意図とは
今現在、花の駆逐が始まれば、結果論だが花は人類の数を程良く調節してくれたことになる。
しかし花が存在し続ければ、人類は絶滅へと向かう。
メッセンジャーが送られたのは、人間を口減らしだけしてやるのか、このまま皆殺しにするのかを判断するためだとしか考えられないのだ。
その結論として、メッセンジャーは政直に花の弱点を教えるという。つまり、全滅ではなく抑制に止めるべきだと判断したのだ。
「ははは…随分と優しいことじゃないか……」
政直の瞳は虚ろなまま子供を見つめた。
「たかだか…良い奴を一人見つけたから…それだけで、人類を助けてやるって決めちゃうのかよ……」
キーボードに置かれた手が、力なく落ちた。二本の腕は、肩からダラリとぶら下がるだけになった。
「人類が何十億いると思ってんだよ?そのうちの、何割がテメエのことしか考えられないクズだと思うよ?自分のことなんか二の次にして、身を捧げることの出来る奴がどの程度しかいないかわかってんのかよ?」
「佐渡、何をしようとしている?」
ディスプレイに見入っていた有働は、政直の異変を察知した。苦痛に耐えながら対話を試みるメッセンジャーを宥めていた両手は、今は首根っこを押さえていた。




