105/122
希望の光17
しかしながら逆に地球の主観によって考察がなされた場合、人類が排除する理由はあれど擁護されるべき要素が見つからない。環境汚染、生態系破壊、etc……
人がこの星に害にはなれど、益になる何ものも見いだせない。
それどころか
近い将来、人は地球上で文明を維持する術を失う。
水源や食料の不足が、資源の枯渇より先んじて自らの首を絞めることがほぼ決まりきっていた。花が贈られなくとも、人類壊滅のシナリオは既に作られつつあったのだ。
(まさか……)
メッセンジャーが『もう充分』と言った理由に、政直は思い当たることがあった。
日本を初めとしたアジア一帯の花の脅威は、人類を再起不能に追い込むには程遠い。ただし、目的が殲滅ではなくあくまで人口抑制であったというなら。人口爆発地帯にブレーキをかけたこの一手は、きわめて有効であったことを認めざるを得ない。メインターゲットを経済大国に定めれば、それに準ずる途上国の発展をも抑制できる。結果的に上述された水源と食料の問題解決までのタイムリミットは、消費者の激減により数十年は引き延ばされた。
人類殲滅を前提とするなら、このタイミングでの花の消滅はきわめて中途半端である。だが、人類を延命させるための口減らしが目的だとするなら、このタイミングは悪くない落としどころと言える。




