第57話:カミキリムシ
そして次の団体様のお出まし。
「やるで!!」
血気盛んな佳那子ちゃん。元の世界ならば運動能力では敵わないが、今は装備次第で張り合える。
「あたしも負けないよ!! カブトムシ型ロボットの対策は分かったしね!!」
そう意気込んでいた時期もありました。団体の中のある姿を見て足が思わず竦む。
その中にクワガタムシ型ロボットまでいる。剣を折られ腕も斬られた忌々しい記憶。
『逃げるんじゃない。これは戦略的なもの』と自分に言い聞かせ、クワガタムシ型ロボットから離れて、他のロボットたちを相手にする。
他の皆もいるので、どうしても剣がメインになってしまう。広範囲に砲撃している人が約一名いるが……仲間のこと考えてる? と戦いつつもう片方のCPUコアで思ってしまう。ちなみに砲撃している人は言わずと知れた恭子ちゃん。
まあ恭子ちゃんは日常はダメ人間だけど、こういう真剣なときは頼もしいから大丈夫とは思う。うん、きっと、多分……。
あたしも敵と向き合う。団体の中にまたハサミ虫型ロボットがいた。視認したときには、ワイヤーを伸ばしてハサミがあたしの方に飛んできていた。慌てて避ける。
ハサミ虫はまだ一度しか対峙していない。しかも倒したのは梓ちゃん。
「今のあたしならいけるか?」そう思いつつ立ち向かう。
敵はハサミをウインチで一気に巻き上げ、次の攻撃準備を整える。巻き上げるハサミを追い越して踏み込み、敵を剣で切り裂く。
「次!!」
瞬時に視線を移し、戦況を確認する。近くにカマキリ型ロボットがいたが、それは他の人に任せてスルーする。その視界の片隅に見慣れないロボットがいた。カミキリムシ型ロボットだ。
新型? 不安になりつつ確認しなければならないので、そちらに向かう。相手は威嚇するように触角を振り回す。振り回される触角を剣で弾くと、あたしの全身に痺れが走った。
痺れで剣を逃げる手が緩み、手から剣が落ちて地面に突き刺さる。
距離を取らないとまずいと思い、痺れる左腕を懸命に上げて、グレネードランチャーを撃ちこむ。踏ん張りの効かない両足が地面から離れてあたしは後方に吹き飛ぶ。痺れが取れたので立ち上がろうとすると、目の前にはカマキリ型ロボットがあたしにカマを振り下ろしているところだった。慌てて横に転げて素早く立ち上がる。
カマキリ型ロボットとカミキリムシ型ロボットに挟まれた。どちらもあたしには厄介だ。
「誰か助けて~!!」
通信機で応援を要請する。するとカマキリ型ロボットの頭部が吹き飛ぶ。
『花鈴さん!! 大丈夫ですか?』
どうやら梓ちゃんの狙撃らしい。でも梓ちゃんの姿は見えない。どうやらステルスで消えているようだ。
「ありがとう」
それだけ言うと、頭部を破壊された衝撃でよろけたカマキリ型ロボットを両断する。そして再びカミキリムシ型ロボットと向き合う。すぐそこまで接近されている。
慌てて回りこむようにして、あたしが手放してしまった剣を回収する。
敵の頭部にグレネードランチャーを撃ちこむも、触角を回転させてまるで盾のようにして防がれる。
カミキリムシ型ロボットから離れて、他の皆に特徴を連絡することにした。
「カミキリムシ型ロボットに気を付けて!! 触覚に触れると麻痺するよ。グレネードランチャーを撃っても触覚で防がれた!! 防御力もあるみたい」
『『『了解!!』』』
全員から反応があった。そして綾乃ちゃんが他の敵にアサルトライフルを撃ちながら、あたしに背を預けて近づいてきた。
「徹甲弾ならいけるでしょうか?」
「どうだろう? アサルトライフルだから撃ちまくれば敵の防御をすり抜けられるかも?」
お互いに背中を合わせながら話し合う。
「では、わたくしが相手をしてみますわ。花鈴さんは別の敵をお願いします」
「了解」
あたしはカミキリムシ型ロボットは綾乃ちゃんに、任せて他の敵に向かって行った。




