第21話:装備取り付け
「さてと、ちょっと左肩にキャノン砲をつけてくれないか?」
「あ、わたくしもバルカン砲をつけるのを相談したいですわ」
「あたいのキャノン砲をつけるのが先だ!」
「わかってますよ。別に先にはめてくれとは言ってないじゃないですか」
恭子ちゃんは疑いつつ綾乃ちゃんを見つめた。だがすぐ気を取り直して、アイテムボックスからキャノン砲を出す。
「じゃあよろしく」
そういうと恭子ちゃんは真夕ちゃんにキャノン砲を渡した。誰が一番信頼できるか理解しているらしい。あたしでもこのメンバーだと真夕ちゃんを選ぶよ。
そして真夕ちゃんは、恭子ちゃんの左肩のマウントにキャノン砲をはめた。
「視界的にどうです? 両肩にはめると左右の死角が結構あるのでは?」
「ん~? まあ大丈夫だろう」
楽観的というか何も考えていないというか、まあそれでこそ恭子ちゃんである。
「では次はわたくしですわね」
そう言うと綾乃ちゃんもバルカン砲を取り出す。小型であるが持ち手はない。
「真夕さん、これってどうしたらいいんでしょうか? どこのマウントにはめればいいのかわからないですわ」
「これはまだはめる場所が決まっていないものですね。一回アイテムボックスにしまって、『改良』をすれば頭部や肩、腕や脚、もしくは腰などにもはめれます」
「『改良』?」
「ええ、設計図の所に改良ボタンがあります。そこを押すと装備箇所画面で私たちのシルエット映像が表示されます。そのシルエット映像に装備できる箇所が点滅するので、好きな所を選んで改良ボタンを押せばすぐできますよ」
「そうなんですね。ではちょっと試してみますわ」
そう言うと綾乃ちゃんはバルカン砲をアイテムボックスにしまった。そして『改良』をしているようだ。
「できましたわ」
綾乃ちゃんは再びバルカン砲を取り出す。
「頭部右側にしたんですか?」
「ええ、このくらい小型で軽量ですと頭部が一番いいと思いまして。他の部位だと大型火器がはめれそうですし、頭部左側には梓さんのようにレーダー系をはめる方が良さそうです。利き目が右なので、照準がつけやすそうですし」
流石ほぼ万年学年一位の成績を誇る綾乃ちゃん。実に効率的に考えている。頭部は見えないので真夕ちゃんにはめて貰っている。
あたしは先ほどのことをふと思い出す。
「佳那子ちゃんはアクチュエーターをもうはめれたの?」
「ああ、さっきできたよ。CPUコアが二つあると、頭が良くなった気分やな」
「まあ並行処理ができるようになったので、事実上は頭が良くなったとはいえるでしょう。元々の知識は普段の勉強が関係しますが……」
少しあたしもグサッと胸にくる言葉であったが、まあ戯れでしょう。
あたしも『改良』でグレネードランチャーを改良する。少し大きめなので頭部にははまらないらしい。選択できるところは、腕か脚、もしくは腰である。部位的に左右にはめることができれば、バランス的にかっこよく見えそうだが、一つしかない。脚か腰の片方にはめるのはなんかバランスが悪く感じるので却下。腕にはめることにした。右腕は剣を振り回すので、左腕にはめれば両手で攻撃できるであろうと思い、左腕用に改良した。
そしてあたしは左腕のマウントにグレネードランチャーを装備した。




