日々の生活
「チリリリリーン」
眠い。いい加減聞き慣れた嫌な音。
退屈な日々へと俺を誘う音。
だけど、今日はなんだか気分が良い。その心から「行ってきます。」と元気よく言えた。
こんなことは、めったにない。今日はきっといい日になるだろう。
教室に着くと、なぜだろうか。
鬼島しかいないのだ。いつもは学校一の秀才、斗真や芸人を目指す川谷、クラスのマドンナ麻衣ちゃんは来ているのに。仕舞いには、他の連中も誰一人いないのだ。クラスメイトがいない理由を鬼島に聞いた。
「あー、学級閉鎖。うちのクラス、最近話題のウイルスに感染したのが半数らしいよ」どうやら今日、学校は休みのようだ。
「は、」「マジ・・・じゃあ、なんでお前はいるの。」突っ込みどころが満載だが、家に帰ってゲームができると思った俺は、この意味がわからない状況を疑うことはなかった。
帰り道、いつもと変わらない下校道。だが、今日はやけに静かだった。この角を曲がれば、家に着く所に差し掛かった時「カー、カー、カー」とカラスの大群が鳴いた。この鳴き声で、俺は物凄い疲労感に襲われた。
まだ、午前九時なのに。(あれ、なんだか眠いぞ。)
そして、睡魔も襲ってきた。だんだんと視界がぼやけていく。そして俺は、気を失った。