はじまり
第二部
「起立、礼、ありがとうございました。」
この魔法の言葉により、今日も平凡な学校生活が終わる。
「駅前のカラオケ行こうぜ」「今日、ランメニューだって。だるいわー」各々の放課後が始まる。
家に即効で帰りたいところだが、俺は、変人だと有名な修一から話しかけられた。
放課後、理科室に来いとのことだ。面倒くさい、帰ってネッ友とオンラインゲームをしたいなと現を抜かし、半ば強引な修一を睨んだ。
理科室には、俺を含め四人がいた。そこには、親友の鬼島の姿もあった。
誰かの得体のしれない物凄い緊張が肌に触れた。
「諸君、ご参集いただき感謝申し上げる。ここに集まってもらったのは、皆に伝えたいことがあるからだ。」淡々と述べる修一は、まるで何か重大なことを言いたいようである。
「単刀直入に言う。明日からここにいる四人で大海に行く。学校は、当分休めるように話はつけてある。詳しくは、今話せない。明日になればわかる。申し訳ない。」と言い残し、俺らに目を向けてきた。
もちろんの如く俺は、動揺した。
しかし、他の二人はそんな気を起こしているようには、見えなかった。そこから十分の沈黙が流れた。奇しくも、誰も修一に対して物を言わない。
普通なら、ありえない状況である。俺だけが、何も知らないようであった。
俺は、この十分間にバトルゲームの大会の立ち回りを考えていたため、空想の世界に飛んでいた。(ここは、理科室。そこまでは良い。だけど、あいつは何を言っている。)変な事を言っていたなあ。というか、意味の分からない話の為に俺の貴重なゲーム時間を奪いやがって。馬鹿馬鹿しく感じた俺は、理科室を出ようと動き出した。
「すまない、宗太。これは宿命なのだ」と訳の分からないことを言う修一。を後に家への帰路へ向かった。しかし、俺の人生が狂い始めたのは、ここからだった。