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水中探査と君  作者: 大山 治郎
三章後半
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富士の山 登山Part3

 フサフサな髭を生やしたこの男性は、まさに龍三さんである。山頂までもう少しの所から落下し、地のどん底まで来てしまった俺は、突如龍三さんの前にいた。

「あなたは、もしかして仙人なのですか」この地の果てにいる人物が只者のはずが無い。

「仙人とは言わないでおくれ。宗太君」

「ではあなたは、神様なのですか」

「・・・」

「こちらに来たまえ」俺は、龍三さんの後を追い歩き始めた。神様という言葉には反応しなかった。「入っておくれ」数分歩いたのちに現れた小屋の中に案内された。

コーヒーを頂き、椅子に腰を降ろす。

「山頂まではまだ行かなくて正解だったね。今頃、吹雪がもっと襲ってきていただろう」

「そうですね、夏なのに雪が降るなんておかしな話ですけれども。まあ、別に変だとは思いません。この世界は元より変だと思いますから」

「では、君はこの世界に不服かね。」

「そうは思いません。ただ、この世界は説明できないことだらけだということです。常識などあって無いようなものだと思っています。」

「まあ、そうだね。こうなってしまったのは、歴史のせいだよ」龍三さんが咳払いしながら言う。奥から本を取り出してきた。

「水中トンネル建設。時空間の閉鎖。君が求めていることはこの本に書いてある」そう言って本を貸してくれた。「この本を持って行きなさい。」謎を解く鍵が書いてあるかもしれない。ありがとうございます。


「ヘックション」粉が舞い、咄嗟とっさにくしゃみが出た。周りが白く濁っていった。次の瞬間、「ボン」と大きな音で小屋が爆破した。起こった風圧が俺を押した。今度はどんどん上昇した。俺はどんどん昇っていく。下を見ると小屋が無くなっていた。龍三さんはどうしたんだろう。無事なのだろうか。止まらず、俺は上昇した。真っ暗な世界が明るくなった。晴天の9号目に再び帰されたのである。今度は雪一つ降らない最高の晴れであった。再び山頂まで登ることにした。


山頂まではあっけなく着いた。時計を見ると四時を指していた。山頂から見る景色は、絶品だった。白い雪が山々を覆い、先鋭な牙が剥き出しになったような山々。空に届きそうな高さ。雲が掴めそうな距離にある。「やっほー」そう叫びたかった。返ってくる声と共に俺は、絶望した。何にもない。材料など何も無い。ただの山頂であった。隈なく探してみた。そうだ、本を見てみよう。(まじか。)動揺した。材料についてなど書いていなかったのだ。まあ、いいや。寝よう。俺は富士山のてっぺんで眠ることにした。幸い、睡眠グッズを持ち歩いていたため、休める。寝ましょう。

(果報は寝て待て)

(急がば回れ)

ゆっくりと行きましょうよ。俺には運があるし。




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