創作は◯◯であるべき、とは思わない~という話
少し過激な語りになりました。
ご不快に思われる方もいると思います。
ブラバ推奨m(_ _)m
唐突に申し訳ないが「やおい」という言葉をご存知だろうか。最近はほぼ使われなくなって久しいと感じるが筆者と同じ年代の腐に連なる方なら分かると思いますが、つまるところ、今で言うBL本とそれを好きな人に対する蔑称であり、自虐も含めた呼称でもあったものですな。
私は中学生の頃、それらの世界に無理やり引き摺り込まれて影響を受けたため、性癖としてはノーマルですが、腐に連なる者になった被害者(笑)です。
で、この「やおい」という言葉、意味としては「山なし、オチなし、意味なし」の三なしの頭文字をとったものなんですね。つまり、BLなんて、男同士の絡みさえあれば物語を構成する要素なんて書かれないポルノだってことなんですけど。
もちろん、BLものだって、しっかりストーリーがあり、テーマ性に富んだ物も多いので、だいぶ間違った認識だと思う反面、ポルノの何がいけないの、って思うんですよね。
安っぽい感動ポルノ、お涙頂戴のテンプレートで主義も主張もない、創作はテーマがあるべきだ、人物の葛藤や軋轢、苦悩があるべきだ、こんな感じの主張をたまに見ますが、いや、別にそれも否定はしないんですよ。
テーマ性がある作品は主張を伝える手段となるでしょう。そのテーマによっては多くの議論を呼ぶかもしれません。人物に葛藤や人間関係の軋轢、苦悩があればドラマがうまれますし、話の厚みが出来ると思います。
ですが、それが無いものは価値のないポルノだと言うのは些か暴論だと思うんですよね。
そもそも論として、私はポルノだって立派な創作だと思っています。なんの思想性の欠片もないギャグオンリーのコメディで死ぬほど笑う、これって、人間に許された文化的な生き方だと思うんですよ。腹がつって呼吸困難になるほど笑う、それは「感」情が「動」いたからこそで、純粋に人を笑わせるためだけに書かれたギャグで感動しているんですよね。
ポルノに真の感動はないと言う人もいますが、「真の感動」ってなんでしょうね。別に感動にランクをつけなくていいと思うんですよ。
創作では起承転結が大事だ。テーマ性が必要だ。ロジックがないものは高尚な作品と呼べない、大きなお世話ですよね。
表現者が表現したいものを好きに書けばいいんですよ、だって文芸作品って、文章を用いたアートなんですから、自分の中にある衝動の発露であって、論文や解説文や取り扱い説明書じゃないんですよ。
私は中学生のとき、やおいの世界にも様々な作品があると知りました。テーマ性があり、マイノリティの苦悩を見事に書き上げている作品だってありましたし、官能表現で耽美な世界を描いたものもありました。私は創作とはこれほどに自由で可能性に満ちた素晴らしいものなのだと知って衝撃を受けたんです。
もし、あなたの表現に難癖をつけて、「そんなものは価値のないポルノだ」「読みづらい」「軽薄すぎてポップスのようだ」などの不適格な言葉を投げる輩がいたら、無視しましょう。
それでも、突っ掛かってくるなら、はっきりと胸をはって「これが私の創作の在り方だ」「あなたには理解出来ないようで残念です」と突き返してあげましょう。
芸術の世界を枠に嵌めようとするほど、愚かしい行為はないんですから。
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