透き通る世界と繋がる声
ペースがバグってる。
「こうへー。」
「ん?どした、メイ。」
「そう言えば、今日って何するの?」
朝飯を食っている最中、彼女は突然今日の予定を聞き出してきた。
「あぁ、そう言えば特に決めてないな。ある程度本島の観光地をめぐったからなぁ〜。」
「あれ?離島は行かないのか?石垣とか竹富島とか?」
「まぁ、考えるか。今少しだけ。」
「ねぇ、こうへ〜。」
「ん?どした?」
そうして、樹が俺に話を切り出し、俺が言葉を言おうとした瞬間、被せるようにメイがのんびりと声を出す。
「うちの家・・・くる?」
「・・・あれ?どこらへんだっけか、メイの家。」
「竹富島。」
そうして、全員がダンマリとして少しだけ謎の空気に包まれる。
「いくか。竹富島。」
俺の一言の採決で2日目は竹富島に行くことが決定した。
〜2年前〜
「・・・今日でまた、帰んのか〜。」
「康平。」
「おう。メイ、どうした?」
透き通る青い海に裸足を潜らせながら砂浜を眺めると一つ下のいとこである尼子メイが後ろに立っていた。
「少し隣いい?」
「あぁ、いいぞ。」
「うん、それじゃあ。」
そう言って彼女は砂浜の上に足をかがんで座る。夏の朝日が静かに光を強くしていく。それに見惚れて俺らは声も出さずただ眺めていた。
「ねぇ、康平。」
「どうした?メイ。」
「うちと遊んでるとき、楽しかった?」
「楽しかったよ。」
「っ!!//そ、そう。」
彼女は赤面して手を頰に当てて誤魔化そうとしている。
「??熱でもあるのか?」
「な、無いよっ!」
「じゃあ、どうしんだよ?いつも以上に朝は真面目っぽい感じだし。」
「っ!!だって・・・」
「?」
あたふたしている少女は少しだけ可愛く見えた。
朝の景色はいつ見ても綺麗だ。しかし、非リアやDTには厳しい風景が待っていた。それが女の子との接し方だ。
なぜと聞く人も多いだろう。しかし!考えてみてくれ。まだ純粋で無垢だった小学生時代ならできるだろう!現在は中学。思春期特有の雰囲気で話しかけることができないのだった。
「「・・・」」
ただ沈黙した空気が流れ続ける。
「康平。」
重かった何かが外れてメイは俺に透き通る世界の片隅で耳元に言葉を囁いた。
それが、今日の朝。ゆっくりと繋がった。
作者珍しく頑張る。
今年の更新は来週2話出して多分終了です。




