閑話 ハジマリノヒとアタラシイヒ
この話は閑話です。
その日の夜は何処か蒼さを感じた。
俺は彼女たちが眠った後静かにスマホ画面を展開し作業机に向かった。
そして、少しだけペンを手に取ってタブレットに入っているアプリを開く。
いつも見ている設定画面で少しだけ弄ってから俺は真っ白な液晶画面に命を吹き込んだ。
月明りと勉強でいつも使うライトの光を頼りながら、何度も何度も試行錯誤した。
色を重ね
輪郭を明暗を繊細に描き
想い出を未来を
ハジマリをアタラシイセカイを
自分が今書ける全力を振り絞って
描いた。
描いた。
がむしゃらに
純情に
実直に
ひたむきに
想う気持ちをそしてこれから幸せにするという決意を
誓うように描いた。
その日は何処か物足りなかった。
しかしそれは、ある種の心地よさであった。
だから、今なら鮮明に・・・
その日、ある一人の少年が書き上げた絵は後に2人の嫁さんに渡すことになる。
それが近い未来なのか、遠い未来なのか・・・
ただ、一つ言えるのは
幸せを写す世界は誰にとっても温かくなるモノだと。
月夜に降る星々に願う幸せに手を伸ばして。
少年はペンを果てのない未来に切り込みを入れていった。
ちなみにこれはこの章では割と珍しくカオスでもなく恋愛でもない、ちょっと先の未来の話。
この話が触れられるのか作者にはまだ予測がついていない。
追記。更新は一週間後。かも。場合によっては早まります。