キラキラネーム食う
「うちの部員キラキラネームが多いよね」
突然白雪が言い出した。英文が書かれたTシャツにチェーンのネックレスを何本かしている。トップはない。下はダメージジーンズだ。
「確かに多いわね」
と恋歌。白ラン姿である。
「まず僕の名前だけど。萌儀田栗鼠、もえぎたりすだ」
「キラキラネームね」
「キラキラネームだな。栗鼠か、かわいいな」
「親が言うにはタリスマン――つまりお守りが由来らしいんだが」
「ふ~ん」
「へぇ」
「興味なさそうだな、おい」
「だって興味ないもの」
と、手のひらを上に向けあきれかえるポーズをする恋歌。
「そう言うがお前だってキラキラネームだぞ。恋歌香良洲、からす、烏だぞ」
「烏は好きよ。おいしいもの」
「食ったのか!?」
机に両手をつき立ってしまう。
「うち、貧乏なのよ」
普通のことのように言う、恋歌。
「貧乏でも烏は食わないだろ」
「蛇もおいしかったわね」
何かを思い出したかのように舌なめずりする、恋歌。蠱惑。
「食ったのか!?」
「烏より捕まえやすくて良いわよ。木の棒で身体をつついて首を曲げたところ、首の後ろを掴んで捕まえて、そこを鉈でちょん切って」
「鉈!?」
ていうか、烏より捕まえやすいって烏はどう捕まえたんだよ。
「・・・・・・うん? 話がずれているけど?」
わりこむ常識人、白雪。
「私の名前は緋日流白雪で、妹が猫耳・・・・・・」
「猫と狸はまずいわ」
「猫ちゃん食べちゃったのか!」
涙目になる白雪。あわあわと手を震わせている。普段とのギャップがかわいい。と思い、僕の魅了モエルン発動→白雪の男体化モエルン発動→かわいくなくなる。
「嘘よ、狸は食べたけどね。喉が渇いたときは雪も食べたわ」
キラキラネームについて語るはずがなぜか恋歌の独壇場となってしまった。




