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異世界転生は悪である!  作者: 成神全吾
第二の人生の開幕である!
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ガガガ☆マンガール『VSテレズス・テスタロッサ』

異世界人だ。マンガールはっきりと宣言した。それは確実なる確信をもって放った言葉に聞こえた。

何でマンガールが俺を異世界人だと確信したのか。

と言うよりこれ。



「何で、異世界に電動工具のチェーンソーなんかあるんだ?」

「認めたね。今ここを異世界って。そしてチェーンソーのことも知っている」

「あ、違う! 異世界人じゃ……何でマンガールはチェーンソーを持ってるんだ? それはこの世界にあり得るものなのか?」

「あり得るわけないかな。エンジンなんてこの世界にはない。チェーンソーは異世界の偶像だよ。さぁて。答えてもらうよ。お前は、魔王を倒すつもりなのかな?」

「ま、魔王を?」



その問いはこの世界に転生された意味そのものだけど。ここで素直にはいと言っていいのだろうか。

俺自身この二ヶ月で魔王を倒すための準備なんて何にもしていないけど、一応魔王を倒したいと言う気持ちはまだある。



「……答えたら、どうするの?」

「それは今お前に応える義理もないけど、分かった。武器はしまってあげる。質問に答えてから出すことにするね」



マンガールはチェーンソーを引っこ抜き、刃の部分を自分のこめかみ辺りに宛がう。そして自分の頭に突き刺したかと思ったけど、チェーンソーはまるで頭の中に収納されるように吸い込まれた。



「ハイこれでOK。答えてもらうよ。お前の言葉で」



ズイイッと身を乗り出して迫ってくる。

何でこんな時に限ってスタン・トが発動しないんだ。逃げれないのか? ニゲナイト。



「逃げようとしたって無駄だよ。スタン・トの発動も言ってしまえば力量次第で抑え込める。お前のチートはまだまだ私のチートには及ばないからねぇ」



釘を刺されるように逃げられないと言ってきたけど。スタン・トを使えることを知っている? このことはテレサ以外知らないはずなのに何でそのことを知っているんだ。

それにもっと疑問に思った。私のチートには及ばない。チートって言うのは異世界転生される際にあのあほな死神からもらえる元来持ち得ない力、俺で言うスタン・トがそうだ。

マンガールは俺が異世界人だからチートを持っていると思ったのだろうけど、私のチートと言った以上疑問が生まれる。


マンガールは……異世界人なのか?



「にしても『逃げる手段を強制的に生み出すチート』とは。随分と使い勝手の悪いチートを死神からもらったもんだねぇ」

「死神も知ってる。お前転生者か!」

「……ねぇ煉瓦。君は本当にテレサを信用しているの?」



唐突に話題を変えられる。何でここでテレサの名前が出てくるんだ。



「そりゃ、信用してるさ! テレサは異世界に来て俺に」

「異世界転生は悪である。この世界の常識は20年前に変わったんだよ。この世界の人間にとって転生者は魔王を滅ぼそうとするウイルスみたいな物って認識が広まってる。その認識がテレサに一分もないと信じてるの?」

「それは……そんなの知るかよ! 俺はテレサを信じるだけで」

「本当に信じられるのかな! 私たちはこの世界の敵なのよ! ククク! いいねぇ。こんな修羅の世界にぶっこまれて、ほとんどの転生者は死んで、生き残ったほとんどは本当に悪事に手を染める。その中で君は純粋! 悪に染まらずにのうのうと生活ができている! でもね。私に見つかったようにいつかこの世界の誰かに見つけられ刃を向けられる。そうなる前に、魔王討伐なんて考えを捨てるべき!」



声高々と、俺の耳を直接殴りつけるような言葉に俺は逃げる意識がそがれるように聞き入ってしまった。



「魔王討伐を止めろってことか」

「そう、どうせお前じゃあ魔王を倒せるわけないしね」

「だけど、だけど止めたところで俺が転生者ってことには変わりないだろ!」

「私が護ってあげる! だから、一緒に来なさい」



さらに身を乗り出してそう言った。

護ってあげるって。これは意外な言葉だ。



「なんでだよ」

「君はまだ幼いし、何より転生者の最大の理解者は転生者しかいない。それに私と一緒なら国からの異世界人討伐リストからお前を外すこともできる。魔王を倒すなんて、やるだけ無駄なんだよ」

「……それを断ったら?」

「私と来ずに、魔王を倒すことを続けるって言うなら。煉瓦は私の討伐対象だから、死んでもらうしか」

「その前にアンタに死んでもらいましょうか」



――――――――

スタン・トサーチ

――――――――



体がマンガールの腹にタックルをかます様に前に飛ぶ。マンガールと一緒に地面を転がり状況を確認する。

先ほどまで尻もちを着いていた場所に巨大な鎌が突き刺さっている。鎌の柄の先にサーフボードに乗るようにテレサが立っていた。

その顔表情。あからさまにご立腹の様子だ。



「テレサ!」

「テレサ……お前に見つかる前に煉瓦を連れてきたかったけど」

「へぇ。私の大事なレンを誘拐しようってわけ。子供たちに読み聞かせをしてその場によくいたけど、そう言う魂胆があるなら話は別。子供を愛でても手を出な。万死に値する。と言うかレン。何でマンガールを助けたのよ」

「え、いや。何でかな。えっと、俺もそっちにうわっ!」



テレサの所に行こうとしたらマンガールが引っ張って俺を後ろに置いて来た。



「煉瓦。私もテレサが子供好きなのは知ってる。けど本心はあまりわからない。本心が見えない。だからこそ分かる。テレサは魔王と同じ、この世界にとっての『チートーズ』ってことが」

「ち、チートーズ?」

「これは私のエゴでもあるけど、やっぱり転生者は転生者と一緒にいた方がいい。テレサ。この子は私がもらっていくよ」

「本当に自分勝手だけど、その子を転生者って知っている以上。アンタに引き渡すのは危険すぎる。アンタの話を楽しみにしてる子供達には悪いけど、ここでつぶす」



そう言ってテレサとマンガールは互いに向かっていくように走り出す。

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