表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【60秒で一気読み! キャラクター小噺】 〜もしも、こんな○○がいたら

【60秒で一気読み! キャラクター小噺】 〜もしも、こんな言い訳の方がクリエイティブな小説家がいたら


【小説家という生き方はー】




ある小説家先生の自宅に完成原稿を取りに担当編集者がやって来た。

えっ、今時直接?、と思われるでしょうが事情があるんです。


だが、書斎には先生の姿が見えない。

中を探し回ったら、なんとキッチンを改造したジムで倒れていた。


「先生、大丈夫ですか⁈」

「ああ、君か。我ながら驚いた。

作家というものは体力なんだよ。日夜鍛えておかんと続かない。まず雨ガッパを着込んでランニングを5分決行した後、サウナでバーベルトレしたんだ。栄養価の高い食事療法もした後、睡眠療法を敢行したら丸一日経ってたわ」


編集者は表情を崩さず小説家先生と向き合い言った。


「先生、原稿はいかがですか?」

「ああ、そこにまとめてある」


テーブルの上に無造作に重ねられた原稿用紙の束をパラパラとめくった。

そこに描かれていたのは、壮大なラブロマンス。総勢8人の女キャラが恋に苦悩し、ひとりの男を奪い合う様が赤裸々に描かれていた。

ただし、用紙の隅っこにパラパラマンガで。

肝心のマス目は埋まっていない。


キッと視線飛ばす編集者の口が開く前に、小説家先生は堂々語ったのはーー


「いや〜、座れないんだよ。

切れ痔歴5年目でね〜。出血ひどくて、一度トイレ入ると数十分苦しくてもがくんだわ。

腰椎も損傷しててね。首都高バトル中にダンプと接触しちゃってね。まあ奇跡的に助かったんだけど。そのかわり、書斎の机がちょうと通り道になっちゃったんだよ、悪霊っての。

机で考えてると、ちょうどその上通り過ぎてね。そのあと2、3日金縛りあっちゃうんだわ。『長期間腰掛けられない3大秘話』ならすぐに100ページ書けるけど、タイトル変える?」


「つか、商売変えろよ!」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ