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5.異世界

目を覚ますと1面草に覆われた丘で眠っていた。

 立ち上がってみると、ここから数キロ離れているだろう山の裾に街が広がっている。

 ここは一体どういう世界なのだろうとか氷翠と迴斗は何処にいるのだろうと様々な疑問が湧いてくるが、とりあえず街に行って見ようと歩き出す。

 斜面をしばらく降りると山道がでてきた。その道を通って下っていく。20分歩いたかどうかの時に少し前で馬車が横転しているのをみつけた。慌てて駆け寄ると、アニメのヒロインレベルの美女とその従者であろう人が倒れていた。

「大丈夫ですか!?」

 肩を叩きながら呼びかける。何回化すると、

「う…う〜ん……」

 と言い、目を開ける。

 そして慌てて起き上がると、

「エンペラーベアはどうなりましたか!?」

 と顔を近づけて聞いてくる。

 エンペラーベアというものがそもそも分からないが、最初に聞いてくるあたり、この惨状はそいつが起こしたのだろう。

「すいません。俺が見つけた時にはすでにこのような状況になっていてその他はいませんでした。」

「そうですか…」

 大きく息をついて安堵したかのような表情になる。

「遅くなってすいません!私の名前はリアム・カリファ。カリファと呼んでください!」

 親しみやすい笑顔を向けてくる。

「俺の名前は希代心渡。トワって呼んでくれ。」

「分かりました!よろしくお願いします、トワさん!」

「とりあえずこの人達を起こさないか?」

周りの人達がずっと地べたに寝そべっているのでそろそろ起こしてあげないと可哀想だ。

「すっかり忘れてました!早く起こしてあげましょう!」

 俺とカリファはてわけをして従者の人を起こしていく。

 全員を起こしているうちに日が暮れてきたので、

 その場でキャンプすることとなる。

 カリファは火に薪をくべながら状況の説明をしてくれる。

「私たちは帰郷していたのですが、その途中でエンペラーベアに襲われて馬車を引いていていた馬を食べられてしまったのです。その時は死を覚悟しましたが、馬車をなぎ倒された時に地面に頭を強くぶつけて意識を失ってしまったのです。」

さらに続けて、

「馬車の中を見る限り食料がなくなっているので、それに満足して山に帰っていったんだと思います。」

 という。

「エンペラーベアとはそんなに危険な生物なのか?」

「それはもう!熟練のパーティが何とか倒せるかどうかのレベルの敵ですからね!ところでトワさんはなんでこんな所にいるのですか?」

正直に話すべきか、逡巡したが相手が正直に話したから正直に返すのが礼儀だと思い、全てではなく気付いたら山の丘にいたこと、山をおりている途中に馬車を見かけたことを伝えると、

「トワさんはもしかしてそれ以前の記憶がなかったりしませんか?」

 全然あるが、説明が大変なのでないことにしとく。

「そうですね。ちょっとよく覚えてなくて。」

「そうですか。トワさんの左手の甲を見る限り、紋章があるので勇者の遺志を継ぐ者かもしれませんね。」

 そう言われて、よく見てみると確かに何かしらのマークっぽいものがあった。

「その勇者の遺志を継ぐ者ってどういうものなんだ?」



 

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