3.事件発生
駅前のカフェに着き、順番が来る。
「心渡と氷翠は何にする〜?」
カフェ内を見渡すとJKがスマホで料理の写真を撮っているのが多く見受けられる。
「このカフェね〜、ハニートーストがインスタ映えするっぽくて今話題らしいよ〜。」
氷翠が俺の心を見過ごしたかのように説明する。
インスタでこのカフェを調べてみると、確かに美味しそうでド派手なハニートーストが一面に載っている。
「私はクリームソーダとパンケーキで!心渡はどうする?」
「ん〜、俺はコーヒーとハニートーストで!」
「おっけえ」
迴斗が呼び鈴を押して注文する。
注文を聞く限り迴斗は遠慮を知らないようだ。
そして次々と料理が運ばれてくる。
迴斗の前にはオムカレーにナポリタン、マルゲリータ、ショートケーキ、カフェオレと机から溢れんばかりに並べられている。
「お前給料日の次の日の昼も追加で。」
「えっ…?いくらなんでも酷くないすか?」
「迴斗はもっと遠慮を知るべきだよ。」
氷翠がこっち側につく。
「仕方ね〜じゃん!腹が減ったんだよ!!」
さすがに可哀想になってきたので給料日の夜飯までにしとくとするか。
「とりあえず料理が冷めないうちに食べるか。」
俺たち3人は会話しながらも箸を進めていく。
「そういえばさ〜。ここら辺で高校生がトラックに轢かれたらしいね。」と迴斗は話し出す。
「犯人がまだ捕まってないらしいから早く捕まって欲しいね〜。」と俺が授業中に考えたことをそのまま話す。
やがて3人とも食べ終えて、たわいない雑談をし、カフェをでる。
「じゃあ俺こっちだから。」
2人に声をかける。
「じゃあ、また明日!」
2人に手を振り返して別れる。
そして家に着き、いつものようにゲームを開く。
今日の反省を活かして明日も1限目に講義があるので12時に寝る。
目覚めると朝8時になっていた。いつもより早く朝のルーティンを済まして講義に出る。
講義室に着いても2人の影が後ろのドアから見えなかった。
「まさか2人とも寝坊したのか?」
迴斗は俺と同じくらい寝坊するが氷翠は珍しい。
講義が始まるまで暇なのでスマホでニュースを見る。
すると記事のトップに「男女2人が大型トラックに轢かれ重体。昨日と同一犯人か!?」と書かれている。
詳しく見ると昨日別れた場所付近で時間も近かった。
嫌な予感が頭を過ぎり、氷翠に電話をかける。
「プルルル……プルルル…… ツー、ツー、ツー」
電話に出ない。
迴斗にも電話をかける。
「プルルル……プルルル…… ツー、ツー、ツー」
同じく出ない。
焦る。
いてもたってもいられなくなり、講義室を出て
大学を飛び出した。
近くの大きな病院に向けて走り出す。
青信号になり、横断歩道を渡っているときだった。
大型トラックが交差点向けて突っ込んできた。
運転手は気を失っているようで、助手席の白い髪の少女が何とか舵を取ろうとしているようだ。
なんとか躱そうとしたがトラックは最初から俺を狙っていたかのように、一直線にぶつかってきた。
あまりの衝撃に意識が飛びそうになる。
痛い。
全身がムチで打たれたようだ。
病院に向かおうとなんとか立ち上がろうとするも、体が反応してくれない。
「おいおい、大丈夫かよ?あれ。」
野次馬が集まってくる。
その時だった。
白い髪の美少女が顔を覗き込んできた。
初めは複雑そうな顔をした。しかし徐々に彼女は悲しそうな顔になり、空色の目を俯かせながらおもむろに俺の手を取る。
すると、彼女は淡く光りだす。
彼女の輪郭が分からなくなった時に呟いた。
「ごめんね。」
俺はその言葉を最後に意識を手放した。




