『桜川、白妙の梨 〜過ぎゆく季節と、止まらぬ流れ〜』第5話:梨花の実る場所
いよいよ決戦の時。梨の花が咲く頃、彼女のもとにどんな報せが届くのでしょうか。
一月に入ると、図書館の入り口に並ぶ受験生たちの姿が消えた。いよいよセンター試験、決戦の時だ。 数日後、沙織さんからメールが届いた。 『自己採点で750点を超えました。まずは一安心です』
二月、ついにその時が来た。 『医学部、合格しました』 その一文を見た瞬間、自分のことのように拳を握りしめた。
その夜、私はお祝いの電話を入れた。 「おめでとう、沙織さん。努力が実を結んだね」 「ありがとうございます。これからが本当の勝負だと思っています」
電話を母の絵里子さんに代わってもらう。 「おめでとうございます。苦労の甲斐がありましたね」 「ありがとうございます、片瀬さん……本当に、よかったです」
合格祝いは、私の妻・静子も交えて料亭「柳川」で開くことにした。 「沙織さんは、将来は何科の医師になりたいのかな?」 「まだ迷っていますが……外科には、強い魅力を感じています」 「身長もあるし、沙織さんなら凛とした外科医になりそうだ」
それから十日後、無事に入学手続きを終えた彼女は、晴れて医学生となった。
後日、仕事で東京にいた私のスマホに一枚の写真が届いた。 満開の梨の花をバックに、誇らしげに立つ沙織さんの姿。 『入学式は快晴でした。今の私は希望に満ち溢れています。梨の花の一つ一つが実を結ぶように、私も知識の実をつけます。応援してください』
彼女の歩み出した新しい人生が、どうか輝かしいものでありますように。私は心から願わずにはいられなかった。
合格おめでとう、沙織さん!梨の花言葉には「愛情」もあります。真っ白な花に囲まれて希望に燃える彼女の姿に、胸が熱くなりますね。




