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ぼくは雪だるま

作者: ミスPちゃん



某天気予報に出てくる落ちてくる雪を見詰める雪だるまが好きです(分かる人には分かる


きらきらって難しいね(笑)


 ……しんしんと降り積もった雪は、夜明けとともに止み、小さな庭にぼくは生まれた。


 数年ぶりの大雪だったらしく、辺り一面がきらきらの銀世界だ。


 子供の笑い声が聞こえる。


 白い息を吐きながら、せっせと作る。




 大きな雪玉は……ぼくの身体。


 小さな雪玉は……ぼくの頭。


 穴の開いたバケツの帽子。


 河原で拾った綺麗な小石の目。


 使い古した黒いボールペンの眉毛。


 ネズミにかじられた人参の鼻。


 小枝の腕にほつれた手袋。


 余った黒いボタン。




「できた?」


 母親に言われると少し悩む。


「なんか、寒そう」


 ぼくの首に小さくて使わなくなったマフラーが巻かれた。


「あったかそう!」


 満足した様子でぼくの周りを回っている。


 ぼくの身体が陽射しの反射できらきらと輝いた。


「カッコイイ」


 楽しそうな子供を見るとぼくは嬉しい。


「じゃあ行くよー」


 子供は母親に連れられて、どこかへ行ってしまった。


 寒空の下、ぼくは一人で待つ。


 ぼくを作ってくれた大好きな人を待つ。


 風が吹いても、鳥が頭に止まっても、ぼくは動かずにじっと待つ。





 しばらくして母親が帰って来たけど、ぼくの大好きな人はいない。


 ちらちらと降ってきた雪が、ぼくの大事な帽子に積もっていく。



 ずるっ……どさっ……



 落ちてしまった。


 これじゃ、帰ってきた時に怒られちゃう。


 ぼくは動けない。


 母親が気が付いて元の位置に戻してくれた。


 うん。よし。ぼくカッコイイ。





 「ただいまー」


 おかえり。


 待ってたよ。


 ぼくを見てニコニコしてくれる。


 ぼくの身体に積もった雪を払い、ずれた木の腕を直してくれた。


 ありがとう。


「友達と友達作って来たよ」


 ぼくの身体の周りに、小さいぼくが並べられた。


 一つ。


 二つ。


 たくさん。


「お父さんみたい」


 ぼくに家族が出来た。





 次の日はとても寒い。


 ぼくの大好きな人は家の中からぼくを眺めている。


 ずっと見てくれる。


 風が吹いてバケツが落ちてしまった。


 でも、今日は誰もぼくの近くに来てくれない。


 雪じゃなくて小雨の降る日だったからだ。


 ちょっとカッコわるくなっちゃった……





 次の日は晴天。


 ほんのりと暖かく、ぼくの子供が消えた。


「溶けちゃったね」


 ぼくは寂しくなった。


「また雪が降ったら作ろうね」


「うん」


 ぼくは空を眺めると、陽射しがきつい。





 それから、ぼくの身体はどんどん小さくなった。


 雪は降らない。


 ぼくの帽子が無くなった。


 良い天気で暖かい。


 ぼくのマフラーが外された。


 大好きな人が寂しそうにぼくを見る。


 何も出来ないぼくは泣いた。


 眉毛が落ちた。


 ぼくはもっと泣いた。


 鼻が落ちた。


 でも泣き止まない。


 木の枝も落ちた。


 最後に残ったのはぼくの目だけ。


「あんなに積もったのだって珍しかったからね」


 何の話をしているのだろう?


「ほら、いつまでも見ててもしょうがないでしょ、保育園に行かないと」


 母親に手を引っ張られ、連れて行かれてしまった。






 ぼくは待つ。


 ぼくを作ってくれる大好きな人のために、ずっと待つ。


 きらきらと輝いていた身体が溶けて無くなっても、ぼくは、ずっと……







子供の頃に雪だるまを作ったけど、溶けたら忘れちゃうんだよね。

雪の降る地域じゃなかったから、雪だるま見ると羨ましかったことを覚えている。


手乗りサイズぐらいなら作った事は有るけど、大きいのはダメだったなあ……

そーゆ―遠い記憶

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― 新着の感想 ―
 優しくて可愛らしいお話でした。  雪だるま、少しずつとけていくのが切ないですよね。そんなことを本人(?)も感じてるのかな?と思いました。  私の地元も滅多に雪が積もらないので、子供の頃に小さなの…
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