ふたり7
「帰ろっか、一緒に。道はほとんど一緒だもんね?」
「え、あぁ。うん」
なんだか告白をされたかのようで、顔が熱くなってる。もしかすると赤面してしまっている?そんな疑いにまた恥ずかしくなってる。
『顔が熱くて、怒りが募っている?
この気持ちをどう伝えたらいいのかわからないけれど、僕が何を言うべきなのかはわかる。
きっとこうだ、「空気読めよ、独りで帰りたいんだけど」だ』
『ふたり』が俺の心を読めない事は何よりの幸い。それに、今から特別なイベントがあると思うと急に目が冴えてきた。そんなつもりになっている俺は、君を先に歩かせた後ろ。
嬉しくて拳を掲げた。
『拳を突き上げる僕、、殴るのは良くないと思うが、いざとなれば覚悟はできている。
おい、お前。何考えてんだ?女を殴りたいのか?』
「なんでだよ。殴らねーよ」
『ん?じゃあなんで拳なんか…。めんどくさいな。イレギュラーな展開はあまり好きじゃないから。もう少し僕の声に沿って行動してくれないかな?さっき顔熱くなってたのはなに?イラついてたんでしょ?』
「なんでだよ。イラつかねーよ」
『んあ?』
取り敢えず『ふたり』は今混乱している。
どうでも良い状況や面倒な状況になると比較的に黙り込む。もしかしたら今日はとんでもなく気持ちの良い日になるんじゃないのか?
「そーだよなぁ!ふたり!」
『あー?なにが?』
「あっ、いや…。な、なんでもねーよ」
危ない。つい癖で『ふたり』を呼んでしまった。
癖と言うよりも俺にとっては当たり前の行動であるのだから仕方のない事だ。
「涼くん?何か喋ってた?」
「あー!いや!なんでもない。か、帰ろう」
下駄箱に到着していた俺らは、既に進藤と吉田に置いていかれてる事を確認して、ゆっくりと靴を履き替え、横並びに歩き始める。
君は平均的な俺の身長よりも頭半子分くらい小さくて女子って感じ。だけど、女子の中では身長の高い方だろう。ずっと携帯を触りながら歩く君の横顔。やっぱり可愛い。




