ふたり50
ぶー。ぶー。ぶー、、
「あっ、もしもし…」
「お昼ご飯オムライスね…」
ぷっ。
「切られたしっ」
>もう家行っていいの?
>うん、おいで
『簡単なメールでのやり取りを終えて、すでに玄関に座っていた僕は靴を履いて外へ出る。乾き切っていない髪を日差しが乾かそうとする感覚。こんな自分だけの感覚は、僕だけが感じていればいい。
そう遠くはない君の家まで、好きな音楽を聴く。久しぶりにイヤホンをして歩く道のりは退屈ではない』
何曲目か…。途中で君の家。
インターホン。迷うはずもない。
「はーーい、あがってえ」
『君からのインターホン越しからの応答。
そんなこと言われても、どう入ったらいいんだ。
とりあえず、玄関の扉に手をつける。扉を引けばゆっくりと開いてくれる。そして、この匂いと雰囲気。君らしい家だ』
「おじゃまします…」
「ほーーい、こっちこっち。オムライスできてるから先食べちゃってねえ」
「うん、そのっ。おじゃまします」
『玄関へあがると、ちょうどリビングであろう部屋から廊下へ出てきた君は、可愛げなエプロンをつけている。そして、食事の用意が済んだことを告げられた僕。君は二階へ行くと言って、横幅の広い広い階段をなんなくと登って行った。だから、君に言われた通り君が出てきた部屋へと向かう』
「あーら、いらっしゃい。彼氏さんなんだってえ?」
「あっ、まあ。そうです」
リビングだ。それにやっぱり広いな…。
それにこのおばさんは君を養子にいれた人か?
「ばっちゃんですっ!」
『流しで調理器具を洗っていたおばさん。微笑ましい笑顔にピースサイン。年齢は聞かないで置くにしても。五、六十代か。君が優しいと言うだけあって、人相は優しそう…。貫禄のある人だ』
「ばっちゃーんー!部屋の掃除してるからあ!涼くん先に食べさせてねえ」
『2階から聞こえた君の声。リビングに入ってから一歩も動いていない僕の足を、リビングのテーブルに置いてあるオムライスまで動かした』
「涼くんって言われてるのね、さあさあ!オムライス!れいなが一生懸命作ってたから美味しいわよ!めしあがれっ」
「すみません、いただきます」
『木のいい香りがするテーブルに座れば、大きいオムライスが僕の分。そして、隣の席にある小さいオムライス。君の分だろうか。まだ暖かさを感じる。ケチャップはまだかかっていないが、この場合ハートでも…』
ぶちぇっ!
余計なことは考えない。とりあえずまっすぐケチャップをかけた。
いただきます。




