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ふたり48

……。


静かだあ。この感じは久しぶり。

感覚が現実になってる。これが事実で、夢じゃないこともわかる。

左手の痛みと血の出る量が安堵の量かもしれない。

痛くて、辛くて、苦しくて、冷静で、冷たい。


「こんな感じ…かな?」


そろそろ、寝ようか。

明日はもう休んでしまおう。母さんに言われたことも全部投げ出してしまったほうが楽な気がする。


「『ふたり』?今ならよく寝れそうじゃない?」


『知らない…』


別に怒ってないくせに、怒ったふり。不貞腐れたって意味ないのに。きっと、『ふたり』に身体があればこの感覚もわかってくれる。

それより。この左手、痛いな。


………。


 「なんでこんなことになったんですか?」


「いやあ、その…。気がまぎれると思って」


「いいですか、これは自傷行為ですよ?この左手の治療、私はここまでしかできませんので。精神的に辛いのであれば、そう言った病院を紹介させていただくことも可能ですが?」


「あぁ、そのっ。一応、じゃあ…」


「はい、この名刺。ここは私の知人がやってる所なので、少なからず悪徳な病院ではないです。気持ちが落ち着いた時にでも、検討してみてください」


「わかりました。ありがとうございます」


「はいっ!じゃあ元気に学校行ってらっしゃい!」


「はい…」


病院の匂い。包帯で巻かれた左の手のひら。

朝、ベットにまで染み込んでた血液。

想像するだけで気だるく感じる。

そして、そんなことを誰にも打ち明けず、学校を勝手に休み。朝からの病院にて処置をしてもらってる俺。

なんだか、今日が異質に感じる。


「メール。3人からだ…」


まあいいや、少し歩こう。

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