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ふたり44


「お待たせ、って。なにしてるん」


「ねてた」


「気持ちいいでしょ、ベッド」


「私もベットで寝てるよ、もっとでかい奴」


「それはそれは、金持ちはいいねえ…」


「でもこっちの方が落ち着くね…。狭い方が良いよ」


「嫌味かな?」


「ちがぁう、本当にそう思うだけ」


「別に、偽らなくても良いのに」


「うわあー!ひっどおーい!」


「ごめんごめん、とりあえず。これオレンジジュースだけどいい?あとお菓子。クッキーしかなかった」


「気遣わせてごめんね、ありがとっ」


「うん」


『べべべ、ベットにくるまっている君になにも動揺なんてしてないし。そうだ、そう。変な、へんな?

違うよ、僕は君との冗談混じりな会話に心は冷静で、別に、何かやましいことなんてこともなくて、えっと、とりあえずジュースをコップに注ごう』


また『ふたり』が君に耐えかねて動揺してるよ。

なんだか、俺までそんな気分に。そうはならないか。至って普通で当たり前の様に冷たい氷の入ったコップ。


「ふたりくんは今も話してる?」


「まあ、動揺はしてるっぽい。君が…いや。怜奈のせいで」


「えー、私なにかしたあ?」


「いわゆるツンデレってやつだから。気にしなくて良いと思う。本当は人と関わってたい性格だよ」


「私と似てるかも。仲良くなれそう」


『勝手に決めつけるな。なにも知らないくせに。それに僕のことを知りたいなら、僕を信じてからものを言え。僕にとったらお前もいつか忘れる』


「仲良くなれると思うよ、君のこと好きだし」


「涼くんは私のこと好きなの?なんかいつもつまらなそうにしてるじゃん?」


「僕は、別に好きだけど。怜奈こそいつもスマホいじってるし、話しかけるタイミングとか、その。わからないと言うか、なんと言うか」


「あー、そうそう。私スマホないと生きていけないからなあ。でも、つまらないわけじゃないから」


「まあ、別にいいけど」


『不満をいま言ってどうする。結局中途半端に終わる会話。雰囲気が重くなってきている。冷めたこの思いを恋愛と結びつけるなら、君に飽きた。そんな言葉が繋がる』


そんな事はない。俺は君が好きだし、いまだって可愛いって思えるし。変な解釈で俺の心を決めつけるなよ『ふたり』。


この気持ちが伝わらないのが悪い。この不満が吐き出せないのが苦しい。この時間がどうしようもなく長く感じる俺が冷たい。ただそれだけ。

なら、『ふたり』の言うことも一理あるのか。

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