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ふたり43


 「いただきまあす!」


「いただきます…」


『手を合わせる君と一緒。僕も手を合わせて挨拶。緊張が混じる食事は、君が箸で卵焼きを掴んだ瞬間に始まる』


「おいしそー、あーんっまい!優しい味がする」


「感想がはやいな、ウインナーもいっぱい食べて。ほうれん草は食べれる?嫌いだったら無理しないで…」


「んー、今度お母さんに作り方教えて下さいって言っといてね」


「う、うん。わかった」


『少食だと思ったけれど、ご飯も勢いよく口に詰め込んでいく君。どこか抜けているように感じるのは僕だけなのか。でも、君の箸の持ち方と言い姿勢といい。凛としていて惚れそうだ』


『ふたり』、やっぱり君のこと好きじゃん。最近悪口が減ったと思ったらそう言うことなのか?それとも、単なる好奇心からの観察か…。


 「ご馳走様でしたあ」


「ご、ごちそうさま。よく食べきったね。結構あったのに」


「美味しかったからねー、早く作り方教わりたいなあ」


『食器を片付けている最中、母さんの卵焼きの余韻に浸っている君。逆に僕は、多すぎる卵焼きにうんざりしたけれど、君が満足してくれたなら、それで良い』


「あ、あのさ。ちょっとだけ…話さない?いろいろ」


「いいの?眠くない?」


「眠気なくなった。この後も暇だし。怜奈が良ければ大丈夫だよ」


『スマホも触らずに、食器を洗っている僕を待ってくれている君に唐突なことを吐いた僕。あまり勝手な発言はしない方がいい。準備する僕の気持ちを考えた方がいい』


『ふたり』の奴、嫌なのか。まあでも、俺が君といたいと思える時に一緒にいた方が良いに決まってるし、俺自身心の準備ができているから君に聞いただけの話だ。勝手をさせてもらう。


『食器を洗い終えて、僕の部屋へと向かう。先頭は僕。階段を登り部屋のドアを開ける』


「おじゃまあー」


「うん、ちょっと飲み物取ってくるよ」


「えぇっ!…あ、ありがと」


「なに?変なこと言った?」


「いや、なんでもなあい」


『一瞬驚いた君に疑問を抱くけれど、僕の部屋にやましい物もないし。それに直ぐだ。ジュースと、コップ、軽くおやつでも持ってくれば良いだけ』


はあ、なんで呼んじゃったんだろ。眠気が戻ってきた気がする。後悔だ。まあ、直ぐに帰ってもらって…。上げたくせに、なに考えてんだろう。


気持ち悪い、辛い、面倒くさい、嫌い、ねむい。

あとは?心が、醜く荒んでいくような、そんな感じ。

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