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ふたり39


 おはよー。


「あぁ、また君か…」


痣、残っちゃったね。大丈夫?


「そんなに痛くないし、それに目立たないから、別に」


別にって、大丈夫ではないのかな?


「このくらい、別に大丈夫ってこと」


そっかあ、なら良かったあー。学校ちゃんとこれて偉いね


「俺を子供扱いすんなあ…」


…。


 ガチャんっ!


「ふえ!?」


「起きろおー、喫茶店行くぞ」


「おい綾音ぇ、起こし方ってもんがあるだろぉ…。涼、大丈夫かあ……。おい涼!ありがとうな!綾音の奴、おかげで機嫌治ったみたいだ」


『座っている僕を雑に起こした吉田、肩に手を回して、僕の耳元で仲直りの報告を囁やく進藤。寝惚けていだ僕は、あっという間に3時間が過ぎた事に気がついた』


そんでもって、今から喫茶店か。

俺は一体いつ寝れるんだ。


『進藤を払って重たい身体を起き上がらせる。先程よりはまだ軽い睡魔に抗っている僕の身体はそろそろ限界だと感じる』


「なあ、進藤。話し合いって、どのくらいで終わるんだ?」


「おいー!そんなこと言うなよお!楽しもうぜー!」


「うんー、そうだなあ…」


口を開けば愚痴がこぼれてしまいそうだ。

進藤の高いテンションに活力をもらいながら帰りの支度を始めた。


『先に歩く君と吉田を追う様に、僕と進藤はクラスを出て下駄箱で靴に履き替える。喫茶店といえば学校から僕の家からは逆方向。遠のいて行く僕の部屋のベット。外へ出れば強い日差し。この暑さには嫌気がさす』


「進藤、吉田はなんであんなに暴力的なの?」


「知らね、怖いよな」


「なんで彼氏のお前が他人事なんだよ」


「だって、俺は殴られねーし」


「えー、じゃあ僕が悪いのか…」


『不満は不満のまま。眠たい目を擦りながら、嫌々に喫茶店へと向かう道中。夜に何度も歩いているこの道に感動も少ない』


 「涼はなに飲むのよ…」


「僕はあ、えっと、キャラメルフラペチーノかな」


「お前の分はあたしが奢るから、一番でかいやつな」


「いいよ別に、お金に困ってないし」


「いいや、謝罪費よ」


「なんだよそれぇ…」


「涼くん良かったねー、痣が実ったね」


「なんだよそれぇ…」


「喫茶店扉の前で止まっていた女子二人に追いつけば、吉田が謝罪費という名目を僕に押し付けた。そして君がこんな状況をテキトーに完結させた』


「本当だ!痣できてんじゃん!でも、うっっすいな!」


「やめてくれ、見ないでくれ」


また恥ずかしい。女子に殴られ、その女子から奢られる僕のこの状況を地獄と呼ぶ以外にない。

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