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ふたり28


 「涼っ!助けてくれえー!」


『背後から飛びついてきた存在に、体重が崩れる。

なんとか、貧弱な足腰で身体を支え切るけれど、重たいその体重に嫌気が刺す』


「なんだよお、まだ仲直りしてないのかよ」


「涼くん、先行ってるねー」


「うん。ごめん」


『君は振り向きもせず、立ち去っていく。邪魔が入ったと言えばそうだけど、この邪魔が、「君は僕に興味もない」そんな疑い深い僕を救った存在だと思えばそうだろう』


「邪魔して悪りぃー!でもよお!綾音の奴が許してくれないんだよぉ〜」


『半べそかいて大袈裟に落ち込んでいる進藤を払って、何があったのか詳細に事の経緯を聞く事にした』


こんないつもの面倒ごとに構っていたくはないけど、さっきの君との会話で出てきた張本人。

少しだけ話を聞いてやろう。


 『昼休みもそろそろ終わる。僕と進藤は僕の机で小さな声で会話を始めている。でもそれは会議みたいなもので、この先の解決へと向かうためだ』


 「はあ?なんで僕が間に入らないといけないんだよ…」


「おい、あんま大きい声出すな…。綾音に聞こえちまうだろ!」


「わ、わかったよ…」


「だからよ、この前言ったろ?四人で旅行しようぜってさあ…。そしたらあいついきなり怒り始めたんだぜ?理由はわからねーけどよ、俺がじゃあ3人でいくから良いよって言い返したらよ…」


「それは進藤がわるい」


「なっ!なんでだよ!」


『こんな奴でも人と付き合えるのが不思議なほど、コイツが悪い。理由も聞かず、それも知らずに反論とは、それは会話ではなく、殴り合いだ。それに、男と女。この世は平等ではない』


「進藤さ、自分でも「俺が悪い」って言ってたじゃん。ちゃんと話聞かないからそうなるんだぞ…」


「難しいよなあ…女ってのは」


「だから、そーゆーのも言っちゃいけないんだよ」


「なんで?」


「はあ?な、なんでって言われても…その。面倒になるじゃん」


「面倒ってなんだよおー、俺ら付き合ってんだぜ?そんなの当たり前だろうよ!それによ、今は話しても無視されてるし、なんもわからないんだぜ?」


「じゃ、じゃあ。僕が放課後、吉田に聞くよ…。取り敢えずは四人で旅行出来るように繋げば良いんでしょ?」


「お、おうっ!そうだ!頼む!」


『まるで、神様に願いを懇願するよう僕に手を合わせた進藤。僕からしても吉田綾音という奴は面倒な人間だ。話を聞いてもらえるかもわからないし、どうせ間接的な話をしても、進藤からの糸ってこともすぐにバレるから。余り気は乗らない』


「じゃあ、また放課後な…」

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