ふたり27
小説なんか読んでも何も変わらないし。そもそも、別に変わらなくて良い。
景色は好きだけど、『ふたり』見たいに考え込むのは嫌いだ。そもそも、あまり鮮明でないこんな景色にそう思うのも正解だろうか。
そんな田舎って感じだ。
「小説ねえ…」
キーンコーンカーンコーン…。
「涼くん、ずっと外見てて楽しい?」
「別に、楽しくはないけど…やることないから」
『もう昼休みで、弁当も忘れた事にも気づいた頃。邪魔な声に耳を貸すだけ。あまりお腹も減っていない。外をじっと眺めている理由はやることがないから』
「ジュース奢ってよぉ。朝、言ってたでしょ?」
「あー、うん。じゃあ自販機行こう」
「いえーーい」
『席を立って、君と歩き始めている廊下。自販機は体育館入り口の正面。割と長い距離を、賑わう昼休みの廊下。人目につくけど、意識的に一切の無視をして歩いている僕。そして、スマホをいじって歩く君は無意識に人目を無視している』
なんか、君は少し変わってるのかな。
それとも、俺が人目を気にしすぎているだけなのかな。君の無関心過ぎる振る舞いに疑いたくなるな。
「なに飲む?」
「あー。うーんとね、ピーチティー」
「りょう、かいっ」
「ありがとおー!涼くんは買わないの?」
「ん…ぼ、僕はいいかな、さっき買った水残ってるし…」
『駄洒落をこめた一発は不発に終わっている』
「そうだ、綾音ちゃんが進藤くんと喧嘩したの知ってる?」
「うん、進藤も言ってたよ。別に大した事じゃないし良いんじゃない?いつものことでしょ」
「そっかあ。そうだと良いけど…」
『他人事で、テキトーな会話が終われば僕らのクラスへ戻る。そんな帰り道も、隣でつまらなそうにスマホを弄っていた君。僕は君を疑っている』
確かに、ジュースを奢る時はスマホなんてそっちのけの会話だった。また歩き始めれば、俺がそっちのけ。本当は俺に興味なんてなくて、君は俺をなんとも思っていなそうな感じ。
別に…それ以上を求めたいとは思わないけど。




