ふたり26
「みんなー、おはようー」
おはよー!
『学校に付いて、クラスへと入っていく君。
僕は少し後ろから、それはクラスの人間から面倒な絡みを受けたくないから』
「あぁ…おはよう」
おはよー。
おいおい!二人で登校かあー?
いつもより遅いと思ったら、そーゆうことか!
「たまたまだよ、偶然ってやつ」
やっぱりこうなるよな。別に文句はない。
ただ、君はどう感じてるんだろう。表面的には俺しか弄られていないけど、その弄りは君にだって飛び火する事になるし。
でも、いつもみたいにスマホばっかりいじってるから、特に気にしてないのかもな。鋼のメンタルだ。
『面倒は当たり前、特に仲も良くない奴らの言葉や弄りに気を置くこともないけど、作り笑いに操られた言葉を演じなきゃいけない。それを君は偽りと思うんだろう。
僕の大変な始まりに比べ、君はやっぱりスマホをいじっている』
「おー、涼。おはよー」
「進藤おはよ。なんか元気なさそうだね、どーしたの?」
「喧嘩した、綾音と」
『机に伏せた進藤に、少なからずの慈悲を感じたけれど、なんだか面白そうなことがありそうな、そんな予感に微笑んでしまう』
「喧嘩か、いつものことじゃん」
「ちげえーんだよ!今回のはたぶん!俺が百パーセント悪いし!もしかしたら振られるかもしれないんだよ!」
「ま、まあ。そんなの、別に謝れば良いじゃん…」
「お前にはわからないだろお!今の俺の気持ちがああ!」
「そんなの知らな…!お、おいー!離れろおー!」
『大した話でもなければ、当然の日常。
大袈裟な進藤は僕の制服にしがみ付き、顔面蒼白。何をできるわけもない僕は進藤を振り払って自分の席へ向かう』
進藤と吉田の喧嘩なんて日常茶飯事だからほっとくとして。もし、俺が君と喧嘩というものをした時はどんな感じになるんだ?
もしかして、すぐに別れ話になったりするのか?
まあ、それはそれで。別に良いか。
でも、君と言い合いになったら俺は…。
君に謝れたりできるのかな。
『いつもの窓際、1番後ろの席。窓を開けて夏の匂いを嗅ぐ。あの山には多様な動物が住んでいて、殺し殺され、繁栄しているのだろうか。命乞いをしながら生きる僕らがそんな山に放り込まれたら、きっと一日も生きていけない気がする。そんな田舎って感じ。こんな風に当たりながら、こんな景色を見ながら、小説でも読んでここに居れば、殺されずに済むのは当然だろうか』
「あっ、借りた小説家に忘れた」
『は?ふざけんな』




