ふたり24
『お風呂も上がって、後は寝るだけ。夜に少し歩こうとも思ったけれど、今日も何だか眠くて歩きたい日とは程遠いい。無意識に欠伸が込み上げた』
「『ふたり』、お前よく…ふぁあーあーあっ。俺が欠伸するってわかったな、偶然か?」
『偶然にしちゃ出来すぎでしょ』
「え?てことは…?お前が操ったってこと?」
『そんなわけ。よくあるだろ?あくびが移ること…それだよ、ばあーか』
「なんだよ、つまんないな。もう寝るぞー」
『明日の朝ごはんは何だろう。明日の君とはいったいどんな事を話すんだろう。お昼はまたパンを食べるのだろうか。まあ、それは明日わかることで、今決めることでもないのは確か…』
明日が楽しみだ。そうだ、当たり前らしい日々。
父さんはいったい今何をしてるんだろう。明日突然帰ってきたり、サプライズ的な、非日常が何処かにあったり…。でも、今からそんな非日常を考えて備えていれば、そんな非日常は面白くもない。
だから今は、考えるのはやめよう。
おやすみ。
『あさ…、なんだよ、起きてんのかよ』
「なんか、起きれた」
『目覚めの良い朝、ベットから飛び起きた僕は制服に着替えて…。あーいつものやっといてくれ』
「おいおい、なんだよ、今日はやけにテキトーだな。生き甲斐だったんじゃなかったのか?」
『少し黙るだけ』
『ふたり』らしくない。まあ、いいや。
普通の朝を送るだけだから、特に気にする事もないんだ。そうだ、シャワーを浴びてみよう。
時間的にも余裕はあるし、今日の天気は晴れだ。
さっぱりして、朝ご飯食べて。そうしよう。
風呂場に向かい、パジャマを脱ぎ捨てぬるま湯のシャワーを浴び始める。この身体に当たるぬるま湯は朝には丁度いい気がする。
髪にぬるま湯を当てれば寝癖が解けていく感覚。
シャンプーを使って髪を洗っていく。
朝の匂いが掛かっている風呂場には、忽ちシャンプーの匂いがひらいていく。
「きもちえー」
シャンプーを洗い流すと同時、流れ切る前の泡を身体に塗りつけるように手で滑らせていった。
3分もかからない朝風呂。この感覚を味わえるのなら毎日でもいい気がする。
風呂場から上がり、濡れた髪をタオルで適度に拭いて、次には身体を拭いて。
タオルを首に巻いて、下着を履いて。
歯磨きを済ませる。
そして、制服を着る為に、もう一度自分の部屋へと戻る。たぶん、制服を持ってきてしまった方が良かった。そう思いながら自分の部屋へと戻り、制服を着こなし、ネクタイを最後に首に巻く。
「よしっ、さっぱり!」
『ドライヤーしろっ』
「そんなのわかってるよ」
『ふたり』の声のない数分間、特に異常もなく快適な朝の湯浴びに雰囲気は軽く、鏡の前でドライヤーを使い髪を乾かした。
平凡な黒色の髪は顔の真ん中で靡きながらに分れる。
「センター分けってやつか?別になんでもいいや」
そこはテキトーにして、後は朝食を食べて学校へ向かうだけ。
母さんへの挨拶も忘れないように。
「母さん、おはよ」
「おはよー、朝風呂なんて珍しいわね、今日はベーコンと目玉焼きトーストできてるから食べちゃいなー。呑気にしてると遅刻するぞー?」
「遅刻…」
食器を洗う母さんからの言葉。俺の頭上にははてなマーク。
時間を確認する為、スマホの画面を見た。
「まじかっ!やばいやばい!パン持ってく!
「事故るなよー!いってらっしゃい」
まずい!何処で間違えた?あと30分で学校に着かないと本当に遅刻だっ!
いやっ、でもなんで!?まて!そんなことは今はどうでもいい!
「いっ、いってきます!」
ベーコンと目玉焼きトーストを持つ。何とも持ちづらくて、咥えて移動しようものなら目玉焼きとベーコンが引きずり落ちそう。
玄関、大雑把に白靴を履いて玄関を扉を開ける。
暑い日差しに煽られてる。母さんからの「事故るな」と言う言葉を復唱してる。
そう、今から向かえば20分も掛からない学校への道だ。




