ふたり21
あぁ、会話って難しいんだな。言いたい事も言えない、言いたくない言葉が増えてる。きっと君も同じなんだろう。理解したつもりで、納得したつもり。
それも、そんな“つもり”を他人にも押し付ける様な形。それを君は偽りと言ってるのか。こんな憶測も言葉に出来ない俺は、君の言う通り自分を理解してないな。
「あそこのブランコ良さそうじゃない?」
「うい、私あんぱんがいい」
『二つのブランコが目に止まり、それは如何にも青春ぽい雰囲気。座り、揺られながら、君が指定したあんぱんを鞄から取り出す。そして僕は何でもいいので適当に取り出した。カレーーーパンっ!!だ!』
さっきから『ふたり』の情緒も怪しくないか?
なんか、君みたいに見えるというか。変な奴だな。
「はい、あんぱん。て言うか、君が買ったやつだろ?自分で持って帰ってくれよ。残り三つ。
「あげる、そんな食べれないし。あっ!でもね、本当に卵焼きは美味しかったの!」
「それは、その。い、偽りなくですかあ?」
「そーだけど、なに…?あっ!うわ!馬鹿にしてるぅー!」
「ごめんごめん、母さんに言っとくよ、めっちゃ喜ぶと思う」
「涼くんは私のことは“君”って呼ぶの?」
「あぁ、何でだろう。呼びやすいからかな?『ふたり』も君のこと『君』って呼ぶから釣られちゃうんだよね。名前で呼ぶの、慣れないと…」
「君でもいいよ『ふたり』くんもよろしくね?こんな私だけど」
『君はどうでもいい挨拶を済ませた後、あんぱんを口に頬張った。ブランコに座り、ゆっくりと揺れる君。従う様に、君の髪の毛も靡いている。こんな状況は、憂鬱には勿体無い』
上機嫌な君と『ふたり』、俺よりもこの二人の方が仲良かったりして…。
『ふたり』の奴、散々俺を蔑んどいて、君の前では頼りない奴だ。




