ふたり20
「ふたりくんだっけ?たぶん小説読むのはそっちかな?」
「え、なんでわかったの?凄いね」
「だって、涼くん帰ったらすぐ寝てそうだから。本とか読まなそうだし、それに、どちらかと言えば漫画とかの方が好きそう」
「正解です、反論の余地なしです」
『見抜かれている。だからと言って、別に不利を被る訳でもない。なのに、なんだか気持ちが揺れていて気持ち悪い所へ響いてくる。仕返しと言ったら言い方が悪いけれど、僕も君を答えたくなる』
「『ふたり』はね、反論できなくて悔しそうにしてる。意外と子供だからさ、すぐムキになるし、悪口ばかり言うし、うるさいから出ていって欲しいんだよね」
『余計なことしか言えないのか、思ったことをすらすらと口に出せば解決すると思っているのか、足らない言葉は相手が汲み取る。汲み取らない言葉は雰囲気が解釈するんだ』
さっきからうるさい。いつも以上だ。面倒な時は黙ってる癖に、面倒くさい。この会話が、この状況が、気を遣ってしまう俺自身が、俺の中のもう一人が、、あぁ、俺は逃れたい。
「ほら、涼くんらしいね。いっつも何か考えてるでしょ?苦しそう。辛そう。なんでそんなに辛いのか教えてあげよっか?」
「えっ、うん」
「涼くんは、自分のことを理解してないからだよ」
『じゃあ…
「じゃあ君は理解してるの?自分のこと」
『落ち着けよ、まだ僕も話してないのに。勝手に口走りやがって、まあ人間は偽る生き物だから、いつか本当を出す時がある。それは理解している。そんなつもり。
君は口を閉じて並んで歩いていた僕の隣から消えて僕の背後。それに気づいて足を止めた』
「涼くんよりは、一ノ瀬怜奈ながどんな奴かは知ってるよ?」
「そりゃそうだ…。まあ、パン食べない?近く公園あるでしょ?」
「たべるー」
『青春なんてくだらないから、くだらない会話をして、くだらない理由で残ったパンを言い訳に、近くの公園で、またくだらない青春らしい事をしよう。ふざけてるな。小説読みたい』




