表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/28

ふたり14

「久しぶりだな、屋上…」


『晴れ晴れ。暑いくらいの日差しから避ける為、建物の影に身を置く。弁当箱は持って居るし、あとは君がくるのを待つだけだ。そう言えば、今日はお腹が空いてる』


『ふたり』にお腹の音に気づかれた。

対して恥ずかしくもないけど、自分の感覚を言葉にされたり、いちいち冷静にナレーションされると気に障る。

文句を言いたいけれど、この頭の中でしか生きられない『ふたり』が、この世界を楽しむ唯一の方法を邪魔する事もできないし、そんなことを望んでいるわけでも無い。


「あーー、お待たせえーっと。彼氏さん。あれ、屋上で1番良い場所知ってるからそっち行こっ」


「めちゃくちゃ買ってるし…」


『ドンっとドアを開けた君が疲れ気味に屋上へと出てきた。両手にパンを3個ずつ、器用にも、指の間で袋を挟み持っている。そして、僕がいた日陰よりも君は暑い日差しに当たりながら僕を扇動した』


「ここっ、ここっ」


「ここ?登ってくの?まじっ?」


「まじっ、」


『屋上に構えた凸の建物。登る為の梯子。僕の疑問に頷いて、6つのパンの袋の端を口で挟んだ』


「んふふ、ふーふる」


「いや、何言ってるかわかんない。パン僕が持っとくよ。それより袋貰えばよかったじゃんか」


「確かに、失敗した。私先に上るから、着いてきて」


「わかった」


『僕に三つのパンを渡した君。残り3つはやはり口に咥えて梯子を上がっていく。言われた通り、僕も後に続く様に…おい、待てっ」


「なんだよ、あっ」


俺と『ふたり』の不注意だった。梯子に手をかけ上を確認した。


「大丈夫ぅ?」


「あっ!いやっ!パン…が落ちちゃった…」


「いいよいいよ、それあげようと思ってた奴だし」


「えぇ?あは、あははは。そうだったんだ、ありがとう」


「早く上がってきてー」


「う、うん…今から上がるよ…」


『お前キモ。ナレーションもしたく無いくらいに気持ち悪い。まあ僕の不注意でもあるけど』


「ごめん、ナレーションはしないでくれ」


あぁ、ラッキーなのかもわからないままだ。

取り敢えず早く上がろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ