表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界最強の竜、子育て始めました!?  作者: 蒼空花
第三章「継承」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

61/82

60.望みを描く


「何故ですか!?何故、どれも反応しないのです!?」

「落ち着きなさい、フェルア。貴方が取り乱しては駄目よ」

「……っすみません、ルクリーヴァ様」


 結果として。俺は六つの血液に、どれとも適性を示さなかった。

 それに少しだけ、安堵した。どこの誰とも知らない竜に適性があるなんて、死んでも嫌だったから。

 少しだけ笑みが溢れる。何でも思い通りに行くと思うなよと、ちょっと言ってみたい。

 ──あぁ、ここまで人生を達観したことは今までにあっただろうか。


「やはり、あの子だけだというの……?」

「あの子というと、元素竜の残りの一体……今まで誰も傷をつけられてない、世界最強と言われている竜でしょうか」


 世界最強。その言葉に反応する。もしかして、残りの元素竜は。

 僅かな望みが、俺の中に芽生える。それなら良いと、いや、そうであって欲しいと、ずっと思っていたから。


「えぇそうね、貴方たちが祀っているわ」

「ですが、今まで我々でも見たことが……」

「……あら?気付いていなかったのかしら」

「え、何をでしょう?」

「昨日貴方たちの前にいたじゃない、ヴェルノアールなら」


 ひゅ、と息を飲む音がする。それは俺、というより、フェルアと呼ばれていた水色が発した音で。白い灰が舞っていくのが俺にも見える。あー可哀想だなーと心にもないことを思いながら眺めていると、ぴか、と視界の端で何かが光る。

 なんだろう、と思って光った右手を見ると、黒く浮かび上がる、何かの模様があった。最初は警戒したものの、すぐに何の模様か思い出す。

 ───ヴェルに貰った加護の紋様と、同じだ。

 そう思ったその瞬間、それの発する光が強くなって思わず目を瞑る。眩しさが収まった後、恐る恐る目を開けると、何故か瞳に違和感を覚えて。

 何だろう、自分のものじゃない感じ?だったので、鏡の前で瞳を隠すように伸ばしていた前髪を少しだけ上げ、自分の顔を見た。

 その時すぐ、明らかな違いに気が付いて。


「───あ、瞳の色……」


 そっと、目の近くを触る。うん、別に痛くはない。俺は驚いた。だって瞳の色が、紫と黄緑のオッドアイになっていたから。

 ヴェルとお揃いなのは嬉しい、けど。でも何で?

 そう考えていると、茫然自失に陥っていた水色が復活したらしく、しばらく静かだった部屋がまた騒がしくなった。


「……っ、では早急に協力を──」

「うーん、それは無理でしょうねぇ。貴方たちが昨日やったこと、覚えてないわけじゃないでしょう?」

「そ、れは……」

「それに、あの子も馬鹿じゃないの。やられた事は死ぬまで覚えてるわよ。

 ……まぁ、私たちは死なないのだけれど、ね?」


 薄く微笑んだ水色じゃない方は、ちょっと俺から見ても怖かった。ブラックジョークにも程がありすぎるのでは。

 背筋が凍りそうな視線を俺も巻き添いで食らった後、二人は何かを話しながら俺の部屋から出て行った。本当に忙しないなぁ、あの人たち。


「……ふふ、でもヴェルかぁ」


 吸い込まれそうなぐらい真っ黒な髪で、それでいて輝くような綺麗な紫色の瞳を持った、ヴェルを思い出す。

 もし、ここから出ることが出来て、また、旅が一緒に出来るなら。

 それほど幸せな事はないと、心の底から思ったのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ