49.聖夜の贈り物
夜。すっかりグリュンが寝静まった頃、俺は枕元にそっとプレゼントを置く。きっとすぐにバレるに違いないが、それでも反応は楽しみで。
じっと見つめてくるクラに内緒だと小さく告げて、俺も自らのベットに戻る。
さて、明日が楽しみだ。
♢♢♢
「っヴェル!何これ!?」
どたどたと、忙しなく俺の前に現れたグリュンにおはようと告げる。
朝起きて急いで来たからか、髪が跳ねまくっているが、それは言わないほうがいいのだろうか。
「おはよ……じゃなくて!これ何!?」
「開けていいぞ」
「え、じゃあ……」
恐る恐る、リボンをほどいて紙を開く。ここで紙を破って開かない所がグリュンらしい。
そうして現れたであろう小さな花の飾り。
グリュンは目に入れた途端、驚きの表情から嬉しそうな顔へと変わった。
「良いの?こんな高そうなもの貰って……」
「臨時収入があったから大丈夫だ」
「俺はヴェルに何もあげれないのに……」
「贈りたかっただけだ、気にするな」
でも、とそれでも繰り返すグリュンに、思わずこう言ってしまった。
「───俺はグリュンが居てくれるだけで十分すぎるぐらいだ」
それは紛れもない俺の本心。
グリュンはそれを聞くと、表情を緩めた。
「そっかぁ、それは嬉しいかも」
珍しく、いつものような快活な笑顔ではなく、穏やかな、儚いような、そんな笑い方をしたので思わず言葉を失う。
それがまだ眠かったからだと知るのはもう少し後の話ではあるのだが。
「これで良いの?」
「そうらしい、邪魔じゃないか?」
「うーん……俺武器あんまり使わないから分からないけど……でも大丈夫だと思う!」
「そうか、なら良かった」
きら、と白色の花が輝く。
今だけの幸せに祝福を贈るように。
俺はそっと、小さく呟くのだった。
「……メリークリスマス、グリュン」




