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鬼畜が最高(サイコ)

 時報の音。


「深夜二時をむえました。皆さんこんばんは! 今夜も生放送でお届けしてます。ルシファー菊池の『ラジオ、鬼畜が最高(サイコ)。この番組は社会で言えないことを私、ルシファー菊池がはばかることなく言っていこうという番組です。それではオープニングコーナーにまいりましょう。『リスナーの質問に、はい。論破~』です」


 (音楽~♪)


「リスナーから論破してほしいお題を頂き、ルシファー菊池がそれに強めに答えていくマゾコーナーです。では、今夜も電話が繋がってます。こんばんは!」


『…………』


「聞こえますかー?」


『こんばんは』


「聞こえてるじゃない。ペンネームは何ですか?」


『ペンネーム"菊池を知る者"です』


「おっと、のっけからキモチ悪いペンネームですね~」


『今回、菊池さんに論破してほしいテーマは"イジメ"についてです』


「なるほど、社会における永遠のテーマですね」


『過去に僕はイジメを受けていたのですが、よく"イジメは受ける方に原因がある"や"弱いからイジメられる"など、イジメをされる方が悪く言われますが、本当にそうなのでしょうか?』


「菊池が思うに、イジメる方が百パーセント悪いという話もありますが、それは甘いですよ。悪いのはイジメられる側です」


『なんでですか?』


「これは番組の企画でもあるので、ハッキリ言わせてもらうと、イジメられてることを許す状況が悪いです。イジメられる側は嫌なら嫌とハッキリと抵抗を示せば、イジメる方は引き下がるので、イジメられる方に問題があります」


『抵抗しても、執拗に相手が危害を加えて来ても、同じことが言えますか?』


「はい。同じです」


『ですが、イジメから暴力に発展すればそれは暴行罪。脅して金銭を巻き上げれば恐喝。立派な犯罪です。やっぱり、イジメる側が圧倒的に悪いです』


「イジメを犯罪と認識してしまうと、生活のほとんどが犯罪になって、まともに生活出来ませんよ? イタズラをする子供を親が叱ったら虐待ですか? 親子や兄弟の喧嘩は恐喝ですか?」


『かなり強引な発想だと思うのですが』


「強引な発想なのはあなたです。通りすがりに肩が当たったことを、イジメと言われたら、それは言いがかりです。イジメだと認識するかしないかは自己責任です」


『自己責任ですか……』


「これは仕方ないんです。そもそも、イジメられる側は自分が周囲を不快にさせる存在だと、気が付かないことが多いんです。」


『イジメられる側の存在が不快かどうかなんて、イジメる側の主観ですよね?』


「そこ! そこなんです。イジメられる側は、その主観が理解できないから攻撃されるんです。つまり相手が何を考えているか、理解しようとする努力をしない。だから負の連鎖なのです」


『押し付けだと想いませんか? イジメの果てに自殺まで起きるんですよ』


「なるほど、見方を変えて見ましょう。例えば学校。学校は社会に出る為の義務教育を受ける場所です。つまり大人になって出ていく社会の縮図です。社会では無能や落ちこぼれ、世の体制についていけない人を、容赦なく蹴落とします。学校という集団に入ると、子供の時から社会の間引きにあいます」


『そういう話を子供に持ち込みますか』


「集団や社会に馴染めない存在を、子供のうちから排除していく。その役割をイジメはになっています」


『こじつけにしか聞こえません』


「そうですか? 話を戻すと自殺は、その間引きの結果に過ぎないと、菊池は考えてます」


『無理に話を繋げてませんか?』


「もっとグローバルに考えてみましょう! 日本は少子高齢化で人口が減って行ってます。ですが、世界は人口が爆発的に増えて、食料難や資源の取り合いで争いが起きています。これを解決する道は人口の削減です」


『削減?』


「えぇ。ですが、人道の観点や法的にも他者の死は寿命以外では許されない。しかし長生きすればするほど、人口過多は止まらない。そこで、自殺により社会に不必要な人間を、自然に淘汰させるのです」


『イジメで自殺に追い込むことで世界が安泰している。と、言いたいんですか?』


「自殺は世界への貢献ですよ。あくまで、そういう見方もできるという話です。それに自殺は自己責任でしょ。誰が命を奪うでもなく止める必要もない」


『自殺は自己責任だから無関心がベストというこですか?』


「そうなんです!」


『…………』


「アレ? もしもし~聞こえますか~。反論できないようなので、はい。論破~!」



 ――――――――ミンナ、今ノ聞イタ?

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― 新着の感想 ―
[一言] 随分と思い切った作品で、拝読しながら色んな意味でドキドキしました……。現状はルシファー菊池の言いたい放題ですが、この後のストーリーがどう進んでいくのか、気になります。にしても、やっぱりドキド…
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