クラスメイト1
新キャラ登場の高校生活です〜‹‹\(´ω` )/››
「行ってきます。」
元気の良い返事をして香霞は家を出る。
「行ってらっしゃいませ。」
爽やかな声がして、長身の男性が奥から出てきた。
「緑陰、祐乃をよろしく。」
「良いお名前ですね。」
緑陰は軽く目を見張るが、柔らかい微笑を浮かべて祐乃を香霞の手から預かった。
「ありがとう。」
それだけ言うと彼女はその場を立ち去った。
❄️ ❄️ ❄️
ゴーン ゴーン ゴーン
始まりの鐘が鳴ったのでそれまでおしゃべりをしていた女の子や男の子たちはそれぞれ席につき、香霞は読んでいた本を机にしまう。
同時に、担任の先生が入ってきた。と、その後ろからやや遠慮がちに香霞と同じくらいの背丈の女の子が教室に入ってくる。
皆の視線が一斉にその子に据えられるが、ただ一人、香霞だけは窓から外を眺めたままぼんやりとしていた。
「今日からこのクラスに転入してきた花音・パープルティンクさんよ。」
先生に視線で促され、花音・パープルティンクは1歩前に出て自己紹介をする。
「出雲から来ました。花音・パープルティンクです。母が外国人のハーフです、よろしくお願いします。」
洗練された動作で頭を下げた彼女はいかにもお嬢様育ち。背ほどまである長い髪は教室の蛍光灯に照らされ、金色のゆるいウェーブがかった髪が波打つように輝く。よく手入れされているのが一目で分かるふわふわの髪の毛に色素の薄い冬空の澄んだ瞳は彼女の儚さをより引き立てていてお人形さんのように可愛らしかった。
「......あの、席はどこですの?」
小首を傾げる花音に教室中がほぅっと息をついて見蕩れ、先生も軽く頬を赤らめながら窓際の香霞の方を指し、
「白露香霞さんの隣よ。」
と教える。
花音は香霞の隣に座ると、ふわりと微笑んで香霞に声をかけた。
「香霞さん、よろしくね。」
香霞はそこで初めて花音の方を向き、男性ならば一発で落ちてしまいそうな微笑にもさして気にした風もなく
「ええ、こちらこそ。」
と淡々とした返事と淡い微笑を返したのだった。
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