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拒絶したのに、今更です…   作者: みかさん
30/51

30話


『見つけた!リード様だ』最近 試作品で作った双眼鏡を覗き込むマリー。アンソニーが授業中、アルフリードは校内の見回りをしている。バレない様に距離をとることを考え付いたマリーはドルゲスさんに無理を言って作って貰ったのだ。


「かっこいい。リード様~ 横から見ても前から見てもかっこいいわぁ~」


屋上から中庭の見回りをしているアルフリードを見つめるマリー。


「そこで何やってんだ?」


「な!何しに来たのよ!今は授業中よ!」

集中していて全く気づかなかった。マリーの後ろにはザックが立っていた。


「お前が言えるセリフかよ。なぁ、それだろ?最近親父と作ってた試作品。ちょっと俺にも貸せよ!」


「嫌よ!今いい所なの、邪魔しないで!」


「何見てたんだ?見せてみろよ!」


「やだ!向こう行って…」


「少しくらいいいじゃん。なぁ、頼むよ…」


「嫌なものは嫌!後で貸すから今はどっか行ってよ!」


その時、屋上に繋がるドアが勢いよく開いた。


「そこで何をやっている!んっ?マリー嬢?」


「アルフリード様…」

『最悪だ… リード様に見つかるなんて… リード様を見てた事がバレたら… あわわっ』


「2人で何をやっている?今は授業中ではないのか?」


「ちょっと、気分が優れなくて風に当たりに…」


「そちらの彼は確か カーネリア…」

「カーネリア・ザックです。龍騎士のドラグン・アルフリード様ですよね。宜しくお願いします。」


「こちらこそ宜しく頼む。で、2人で何を騒いでいる?」


「私とマリーは幼馴染みでして。とっても仲がいいんです。」

「ちょっ…」

「だから、2人の将来の話をしていました。」

「な、何でそんな…んっんっー!」

ザックに口を押さえられたマリー。


「だから、邪魔しないで貰えますか?」


「そうか… 将来の話をか… 邪魔してすまなかった。では、私はこれで… 」


アルフリードはマリーの方を見ること無くその場を後にした。


「離して!ひどい!!ひどいよ!リード様に誤解されちゃたじゃない!」


「リード様? あーあ、やっと分かった。お前が昔から【推しのリード様が】って言ってた奴があの龍騎士って訳か。」


「何よ!なんか文句あるわけ?あんたなんか大嫌い!」


「はっ、嫌い?そんなこと知ってるよ。お前が俺を昔から嫌ってた事くらいな…」


「じゃあ何で私に付きまとうのよ!私の事はほっといて!」


「ほっとけねぇ~んだよ!分かれよ!」


「分かれ?分かるわけないでしょ!」

マリーは目に涙を浮かべ、アルフリードを追った。しかし、龍騎士であるアルフリードに追い付ける訳もなく、探したけれど見つからなかった。アンソニーに聞いてはみたが、アルフリードは部下に護衛を任せて何処かへ行ってしまったようだった。


◆◆◆


『俺はどうしてしまったんだ…』先程、カーネリア・ザックの話を聞いてから自分の感情がコントロール出来ない。


「おい」


「はいっ!隊長なんですか?」


「私は少しここを抜ける。代わりのものを2人寄越すから後は頼んだそ!」


「はいっ!分かりました。お任せください!」


アルフリードは背中から羽を出すと空へと舞い上がった。『くそっ、なんなんだ… 気持ち悪い…』

怒り、悲しみ、苦しみ、そして安堵… アルフリードは自分の中にたくさんの感情が沸き上がる事に恐怖した。


◆◆◆


「マリー、元気ないわねぇ…」

「何か私達に出きることないかな?」

ここ何日かマリーは元気がない… これ程までに落ち込むのは大抵アルフリード関係だ。そう思ったオゼットとローズは原因を探ろうとアンソニーに聞いてみたが、アンソニーも知らず、アルフリード本人は何故か数日の休暇を取ったらしい。アルフリードが休暇を取ることは今までに一度もなく、アンソニーも驚いているようだった。


「ねぇ、マリー?」


「ん~?」


「週末3人で遊びに行かない?」


「う~ん。」


「では、決まりね!」


◆◆◆


「ねぇ、なにがあったか聞いていい?」


3人は今、人気のハンバーガー屋に来ている。勿論、マリーが出したお店だ。マリーは重たい口を開き、屋上での事を話し始めた…


「やっぱり、ザック様はマリーの事が好きなんじゃない!」


「違うと思う… 昔から私をからかうのが好きだったからその延長でしょ…」


「でも、今の話を聞いていると… まあいいわ。ザック様は置いといて、今はアルフリードね!もし、ザック様の話を聞いてアルフリードが仕事を休んでるとしたら… もしかしてアルフリードはマリーに気があるんじゃない?」


「ま、まさか!」

マリーの心臓が跳ねた。『そんなこと絶対に有り得ない…』


「直接聞くのが一番ね!」


「聞けるわけない…」


「なら、抱きついてみたら?」


「な、な、な、な、なんでそうなるの!」


「アルフリードはねぇ、あの見た目でしょ~とてもモテるのよ。だから昔から彼に近付こうとたくさんの令嬢達がアプローチしてたわ。だけど、彼は一切触らせなかった。全て避けていたわ。だからもし、貴女に気があるとしたら…」


「えっ!私 結構アルフリード様 触ってるよ?」


「でもそれは、仕事だとか、助けるためにでしょ?そうではなくて純粋に好意でよ。それで分かるわ」


「成る程… なら私やってみる!この間、腕に掴まれたんだもの。多分出きるよ!多分…」


「頑張ってみなさいな。」


『よ~し!やってやる!ついでに誤解も解けたら嬉しいな』そう思うマリーであった。


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