14話
「「ありがとうございました」」
「やっと終わったわ~」
「凄い人でしたね」
「みなさんお疲れ様でした!後日、打ち上げでもしましょう」
「打ち上げって?」
「お疲れ様会です。自分にご褒美みたいな」
「成る程ね、マリーは無駄に気が利くわね」
「さぁ、最後のメインイベント投票による美人コンテスト、ミス王立学園はどうなったでしょう」
「確か、うちのクラスからはわたくしとローズがエントリーされてたわよね?」
「はい、私が友達枠で申し込みました!」
「もう、マリーは勝手なんだから。どうせ、わたくしとローズどちらかが選ばればアリア商会の服を着せて宣伝しようとしているのではなくて?」
「あったり~流石、オゼット話が早くて助かるわ~」
「やっぱりね。いいわっ。では結果を見に行きましょう」
学年4クラス×4年生 各クラス2人ずつエントリーしている中なんとダントツ1位はオゼットであった。2位はローズ。1位2位うちのクラスが総取りである。
「流石、オゼットね。ダントツだわ」
「私が2位なんて驚きです!」
「当然の結果ね…と言いたいところだけど、自分でも驚いているわ。まさか、男性票より女性票が多いなんて。嬉しい…」
「ホント!男性票だけでいえばローズの方が何票か多いもんね」
「そうね、でも凄く嬉しい」
「オゼットは男女平等だし、みんなの頼れるオゼットだもんね」
「そうです。オゼットはしっかり者の優しい子です」
「ありがとう、2人とも」
「マルクス・オゼット様~準備が整いましたらこちらへどうぞ~」
「呼ばれたわ。行ってくるわね!所でこの格好本当に変じゃない?変わったドレスね…」
「これは浴衣って言うんですよ。まだ、試作途中なのでこれ一着しかありませんが、盛大に宣伝してきてくださいね」
「任せて!行ってくるわ」
堂々と舞台の上で光輝く様に笑うオゼットを見て、着々と近づく断罪イベントをどう回避するか頭を巡らせるマリーであった。
◆◆◆
学園祭後日談
「マリー嬢 ちょっといいかな?」
「はい、どうされました?アンソニー様」
「どう?私が着た王子様コスプレセット売れてる?」
「それは勿論です!アンソニー様が直々に着てくれたので生産が追い付かない程売れてますよ!」
「それは良かった。私のお陰!なんだね」
「は、はい… ありがとうございます?」
「そう、どう?最近カメラは何台か作れた?」
「はい、この間、やっといい魔石が手に入りまして…あー、丁度お礼にアンソニー様に届けようと思っていた所だったんです!」
「そうか!やっと手に入るか!で、いつ持ってくる予定?」
「き、今日の夕方?」
「そう!楽しみにしてるから」
そういってアンソニーは軽やかに帰っていった。
「あー、そんなに欲しかったんだ…あっ!ドルゲスさんに連絡して至急カメラ1つアンソニー様宛に届けて貰わなくっちゃ!」
急に忙しくなったマリーであった。
◆◆◆
「はぁーっ」
「どうしたのローズ?あら?前にもこんなこと合ったわね」
「聞いてくれますか?実は今度はハイアーン家主催のお茶会が開かれるんです… それに行きたくなくて…」
「あら?どうして?お見合いか何かかしら?」
ガタッバターン
「すまない。本を落としてしまったようだ…」
アンソニーが落とした本を拾う。
「あらあら、聞こえてたのね?で、何がそんなに嫌なの?」
「ハイアーン家主催だから親族が沢山揃うのです…いとこ達が来るのですが、どうやら私は嫌われてるようで…父は兄の婚約者候補を沢山呼んだから私も必ず出席しろって…はぁーっ」
「それって、貴女の友達も参加してもいいのよね?」
「勿論です。でも、うちは男爵家… オゼットやマリーを呼びたいけど、恥ずかしながら他と比べたら小さなお茶会なのです」
「いいじゃない!小さなお茶会。楽しみだわ」
「そうだよ。ローズ呼んでくれないなんて水くさいわよ」
「ありがとうございます!」
ローズは目をうるうるさせ、喜んだ。
◆◆◆
「もうー!マリーのせいで完全にお茶会に遅れたわ!」
「ごめんって。久しぶりに寝坊しちゃった。てへっ」
「何がてへっよ!今頃ローズはいとこ達にいじめられてるかもしれないじゃない!」
「そうだった。ごめんねローズ~」
「直接謝りなさいよ!あっ、あそこだわ!着いたわよ。急いでマリー」
「待ってよ。オゼット!」
「ローズは?っとあそこに居るわ。やっぱり何人かに囲まれてる。全く貴女のせいよ」
「分かってるって!早くいこー」
オゼットとマリーはローズの元へ急いだ。
「王立学園に通い始めたんですって?いい身分ね」
「叔父様可哀想~こんな子の為に高い学費を払うなんて」
「そうよ!庶民の血が入ってるくせに」
「でも、顔だけは美人だよな~なんなら俺の愛人にしてやろうか?」
「止めなさいよ。こんな子、いくら顔が良くても所詮駆け落ちの末、出来た子よ?ろくなもんじゃないわ」
「そうよ」
ローズは下を向き黙っていとこ達の暴言を聞いていた。
「お待たせ、ローズ!今、着きましたわ」
「ごめんローズ。寝坊しちゃた」
「オゼット、マリー来てくれたのね!」
下を向いていたローズはオゼットとマリーの声を聞くと花が咲いたかの様に満面の笑みで2人の元へ走り寄る。
「何?ローズの友達?って事は王立学園の生徒かしら?」
「すげー美人だぜ!スタイルも抜群。流石、都会の学校は違うな」
「1人は普通じゃないの!」
『そこの人~聞こえてますよ~』
そこにハイアーン家当主、ローズの父親が慌てて駆け寄ってきた。
「これはこれはマルクス公爵令嬢様、スカーレット伯爵令嬢様ようこそお越しくださいました」
「公爵家…」
いとこ達は急に静かになり、黙りしている。
「今日はお招きありがとうございます。ローズ、そのうちアンソニーも来るわよ」
「えっ、アンソニー様が?」
「絶対来るわ。間違いない」
「な、なんと!殿下がお見えになるのですか?!こうしちゃ居られない!おい、総出でおもてなしの準備をしろ」
会場がにわかに騒ぎ始めたのだった。




