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異世界テンプレ・ドラゴン転生  作者: あまたちばなルイ
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3.攻撃魔法そして人里



 なんだか色々あった一日だったが、日も暮れてきた。

 何にもないけど野営でもするか。


 人化したままだと魔獣が寄ってくるので、人化を解いてドラゴンに戻る。


 そういえば一日経ったが、特に空腹を感じないな。

 喉の渇きもないし、ドラゴンは霞でも喰ってるんだろうか?

 ああ、異世界テンプレものだと魔力を喰ってるって可能性もあるな。

 つくづく便利だなドラゴン。


 すっかり日が落ち、辺りが真っ暗になったところで、予め拾っておいた枯れ木にファイアーブレス(着火版)で火をつける。本当は焚き火なんて必要ないんだが気分の問題である。

 森の中なのでファイアーブレスはマズイかと思ったのだが、そーっと息を噴きつける感じで出したら、いい感じで着火できた。


 さて、そろそろ寝ておくか……。尤も眠気はまったくない。どうやら睡眠も必要ない身体らしいが、意識すれば眠れないこともないようだ。

 眠るのに意識を集中する必要があるとはこれいかに?



 ――――――――――――――――――――――――――――



 翌日、夜明けと共に起床。

 ドラゴンの巨体な姿のままだと何かと持て余すので、とりあえず人化しておく。例によって、周囲にモンスターはいない。


 今日は、各種属性攻撃魔法について調べてみようと思っている。探知が使える魔法だったので、攻撃魔法にも興味が湧いたのである。


 持っている属性は、火、水、氷、風、雷、光の6種類である。具体的にどういった魔法が使えるのかは分からない。だが、探知の時と同様に、イメージすれば大体なんとかなる筈だ。


 先ずは火属性。俺からすれば、これは非常にイメージが簡単である。基本は2種類で、火矢と火玉である、

 火矢は文字通り火の矢で、そこから矢の軸と矢羽の部分を取り除いた火のやじりのイメージである。

 標的にした木に放ってみると、深々と突き刺さりブスブスと燃え燻っている。もう少し魔力を込めて威力を上げたら、貫通しそうな勢いであるが、森で使うには火災の恐れがありそうだ。

 火玉も文字通りの火の玉である。魔力の込め方によって、パチンコ玉サイズ、ソフトボールサイズ、バスケットボールサイズと様々な大きさにサイズ調整ができた。

 イメージしたのは爆裂する火の玉だ。森の中で試すにはちょっと危険過ぎるだろうと思い、試し撃ちはしないでおいた。


 次は水属性。イメージしたのは水矢と水刃だったのだが、これは思い通りにいかなかった。先ず水矢の方だが、水の矢というのがイメージできず、形になったのは水玉だった。標的にした木に放ってみると、べコリと窪みができたので、これはこれで打撃系として使えそうだった。水矢改め水玉である。そして水刃の方だが、イメージしたのはウォータージェットによる切断だったのだが、徒に水を撒き散らすだけだった。むしろ放水車といった感じで、火災や暴徒鎮圧の用途には向いてそうだった。水刃改め放水だなこりゃ。


 次は氷属性。イメージしたのは氷矢と氷玉である。氷矢は、氷の矢というか、氷の鏃を長くした様なものであり、標的に放つと深々と突き刺さり木の幹の反対側まで達した。突き刺さった部分は表面が凍っていた。これは間違いなく貫通系だな。しかも火矢と違って火災の心配もなく、使い勝手が良さそうだ。

 続いては氷玉。火玉と同じ様に魔力の込め方によって、様々な大きさにサイズ調整ができた。標的に放つと、バキリと言う音と共にバサバサっと標的にした木が折れてしまった。打撃系というか圧殺系と言った所だろうか。


 次に風属性。イメージしたのは風刃と竜巻で、こちらもまあまあ思い通りにいった。風刃はカマイタチによる切断系をイメージしたのだが木の枝をスパスパ切ってたし、細い木なら幹も切れていたので成功だろう。竜巻の方はそのまんま竜巻だった。


 次に雷属性。イメージしたのは雷矢だったが、矢と言うよりは、標的に向けて水平に雷が落ちるといった感じだった。特に標的に変化は見られなかったので、魔力を込めて威力を強めてみたらビシリという音とともに標的の幹に罅が入り焦げが付いた。

 効果がイマイチ分からなかったのだが、電撃系なので、恐らく生き物相手でないと効果が分かりにくいのであろう。


 最後に光属性。光矢と光玉をイメージしてみたのだが、正直意味不明な感じだった。光矢は光の矢というよりも光線銃といった感じで、標的をぶち抜き、その後方の木々もぶち抜いていった。どこまでぶち抜いていったのか調べる気が起きなかった。これは封印だな、うん。

 続いて光玉の方だが、これはイメージが広範囲の浄化や治癒といったものだったせいか、効果を確認する事はできなかった。

 どっかにゾンビとかレイスとかいるんだろうか? あんまり会いたくはないけど。


 まあ、属性攻撃魔法についてはこんな感じだった。イメージ次第ではまた別の攻撃魔法もできそうだったが、今の所はこれでいいだろう。


 さて、明日はどうしようか? せっかく人化もできることだし、人里でも探してみるか。

 辺境のど田舎で育った物知らずの旅人って設定でいくか。

 無一文なのがちょっと厳しいが、そもそもこの世界の貨幣について知らないしどうしようもない。


 一応、旅人って体裁もあるけど、魔獣がいる世界で丸腰ってのも不自然か……。

 ちょっと爪の先を切ってショートソードでも物体生成しておこう。

 黒い剣ができた。黒い鞘から抜き放ってみると、刃の部分も黒かった。

 おおっ! 黒剣で格好いいぞ!



 ――――――――――――――――――――――――――――



 翌朝は夜明け前に起床。

 就寝時はドラゴンの姿に戻っていたので、改めて人化する。


 金が一文もないので人里に行った際の手土産として兎らしき小動物を数匹狩っておく。

 一応血抜きはしておくが解体の知識がないので、毛皮や肉はそのままだ。


 さて、人里に向けて出発だ。

 深い森なので徒歩ではなく飛行魔法による空の旅である。

 人里がどの方向にあるのか皆目わからないので探知を発動。

 前回同様の1㎞四方程度では魔獣しか見つからなかった。なので、魔力を込めつつイメージを徐々に拡大。50㎞四方程で村らしき反応を探知した。

 探知した方角に飛行で向かい、村から1㎞程離れた場所に着地、徒歩で向かう事にする。この世界で飛行魔法が存在するのか分からないため念のためである。


 近づくといかにも田舎の農村というか、時代劇で見たような農村で、村の周囲に畑があり、畑の周囲を背の低い柵で囲ってある。村の周囲は大人の背丈程の板塀で囲っている。


 畑では村人が農作業に勤しんでいたが、俺が近づくと手を止め、訝しそうな目で見つめてくる。

 村の入口にいた門番らしき男に気さくな感じを装い声をかける。


「やあ、こんにちは」

「…………この村になんの用だ?」


 畑の村人同様で門番は訝しそうな目で俺を見ている。


「いや何、この村に特別に用はないんだけど、俺は旅人でね。この辺の事とか大きな街への行き方とかを教えて貰えないかなーと思ってね」


「ふむ……」


「そうそう、ところで俺は金の持ち合わせがないんだが、手土産にこんな獲物は要らないかい?」


 おれは兎らしき小動物を掲げる。


「おい、そりゃホーンドラビットじゃないか! お前さんが仕留めたのかい? しかも5、6匹もいるじゃないか」


 思ったよりも門番の食いつきがいい。


「ああ、俺が仕留めた。この辺だと珍しい獲物だったかい?」

「いや、珍しい魔獣って程じゃないんだが、その角と脚力が曲者でな。一匹狩るのに村人だと3、4人はかかる」


 小動物と思ったら、しっかり魔獣だったかこの兎。


「ほう、そうなのかい。で、どうだい。手土産と交換に色々教えちゃ貰えないかい?」

「お、おう。ちょっと待ってろ、村長に聞いてくる」


 どうやら手土産を用意しておいて正解だったようだ。

 思いの外歓迎され、色々と話しを聞くことができた。


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[一言] ぽんぽん人化するならもう竜になれる人でよくね?
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