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異世界テンプレ・ドラゴン転生  作者: あまたちばなルイ
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20.ペットじゃないもん

今回から1日1話投稿だといったな・・・、あれは嘘だ、


あ、いえ、嘘のつもりじやなかったんですが気が変わったので、今日もまとめてアップします。


いつもはPCで作業してるのですが、今回はスマホで作業してるので、予約掲載日の変更が面倒くせえええ。


「ところで<鉄塊>さん、足元の黒い毛玉は一体なんなんだ?」


 とてとてと俺の後ろをついてきたベルが、健気にも足元にお座りしていた。


「あー、あの後、色々ありまして。城の奥で飼ってた魔獣を譲り受けたようです?」

「なんで疑問形なんだよ! にしても城の奥で飼ってた魔獣か」


 アシモフさんが手を近づけようとすると牽制するベル。


「「「ガルルルルル」」」

「こら、ベル。人に噛み付いたりしたら、メッ! だからな」

「「「あぉん!」」」

「ほお! 人の言葉が分かるとは賢いな」


 アシモフさんが頭をなでると、『ちっ! 人間風情がっ』といった気配がした。念話とかじゃないよ、そんな気配がしたってだけです。


「なんか首が分かれてて頭が三つあるんだが……」

「え? それって、確かあの……」

「ええ、それってケルベロスですから。まだほんの幼子ですけどね」

「ケルベロス……、だと……?」


 真顔で絶句するアシモフさん。


「おいおい、ケルベロスって言うと地獄の番犬と呼ばれるAランクの魔獣だろ」


 あ、こっちの世界でも地獄の番犬と呼ばれてるんだ。

 しかしAランク魔獣か、どうりで幼子にしてはステータスが高い筈だ。


「マジかー!」

「<鉄塊>さん……」「マジ<鉄塊>!」

「<鉄塊>さんなら……」「仕方がない! 何故なら……」「それが<鉄塊>さんだから」


 ちょっと! 合言葉みたいな言い方するのはヤメレ!


「よーし、よしよしよし」


 こういう時はベルをモフモフして癒やされよう。モフモフモフモフ。あー癒やされるわー。


「正直、地獄の番犬モフモフして癒やされるのって、<鉄塊>さんだけだと思うわ」


 うん、マジレスも要らない。


 この後、どうするのかを聞いてみたところ、数日、辺境の街行きの護衛依頼を探してみて、見つかるまでは休暇でゆっくりするらしい。とりあえず今日の宿屋は確保したとの事。


「<鉄塊>さんは暫く王都観光だっけ?」

「ええ、まあ。あ、俺、まだ宿屋取れてないんで確保してきます」

「おお、俺達はこのままここで飲んでるから、後で顔でも見せてくれ」


 了解すると、ベルを連れて宿屋探しにでかけた。


 さすがに王都らしく、宿屋は直ぐに見つかった……が、お値段の方もお高く、素泊りで一泊銀貨10枚もした。ベルもいるので料金割増を取られるかな、と覚悟していたが、仔犬だしベッドを毛だらけにしたりしなければ問題ないと言われた。

 ペットに理解のある宿屋で良かった……、と、思ってるとベルから『ペットじゃないもん!』と言った気配がしてきた。きっと気配だけだ、うん。


 その後、冒険者ギルドに戻り、飲み会へと突入となった。




 ――――――――――――――――――――――――――――




 翌朝、スッキリと目が覚めた俺は、ベルの散歩がてら王都を散策する事にした。

 まだ早朝という事で、開店してない店が殆どのようである。

 屋台は数軒やってる店があったので適当な肉串を数本買ってベルと一緒に食べた。


 さて、王都について説明しておこう。

 王都は王城を中心として東西南北に大通りが走っており、そのまま各方角の大門へと繋がっている。


 王城を囲む様にして上級貴族と一般貴族の屋敷群が形成されている。そして貴族の屋敷群を囲むようにして、大商人や貴族の従者など裕福な富豪層の市民街が存在している。


 大通りに面して立ち並んでいるのは、商店、宿屋、食堂、酒場、歓楽街などの商業施設である。一般平民の住宅街は、大通りに面していない奥の方に存在する。


 また王都外壁の内側で、各門に近くない――即ち衛兵が余りこない――場所は、所謂スラム街となっている。東西南北とバラけて存在するため取り締まりもし難いらしい。


 なんとなく、大通りをそぞろ歩きしてみる。


 王都観光のつもりできてみたけど、なんか王都の観光名所らしきものも王城だけだし、王城は昨日行ったしなー。

 まあ、こうして外から見る王城も中々立派で、見るからに西洋の城! といった感じで趣きである。ただ、一回見たらもういいや……、って感じだ。


 門について見ると、早朝だと言うのに既に開門しており、チラホラと王都を出発する行商人や冒険者らしき人々を見かけた。王都に到着したらしき人々もおり。


「むっ!」


 その中に狼面の男を見つけた。速攻で鑑定。


 ――――――――――――――――――――――――――――

【名前】ドルグ

【年齢】28

【種族】獣人種 狼獣人

 ・生命  D

 ・魔力  E

 ・筋力  C

 ・敏捷  D

 ・器用  D

 ・体力  D

 ・知性  E

 ・運勢  E

 ――――――――――――――――――――――――――――


 おおっ! 獣人だ! 獣人さん初遭遇である。

 居るとは聞いていたんだけど、辺境の街では見かけなかったし、王都でもずっと商会の宿舎に軟禁状態で街の様子見れなかったしなあ。


 やはり冒険者だろうか? ステータス的にはDランク相当ってところだけど。

 そういや獣人だけど、ここクレメンツ王国以外では、労働力として基本的に奴隷として扱われるらしい。

 この世界では、奴隷が普通に存在するらしい。さすが異世界テンプレである――誰も異世界テンプレだとは(ry)。

 奴隷の種類や扱いについて詳しい事は知らない。今度、ホーリアさんにでも聞いてみる事にしてみよう。


 俺が物珍しく獣人さんを眺めていたら


「「「がぅがぅ」」」


 と、ベルがなんだか興奮気味だ。

 どうやら『ボクの方がつよいんだぞ』と言ってる気がした。


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