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今宵捧げる200歳のjkへの愛  作者: 徳具 たま
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ロケットが飛んだ日

初の小説投稿なので暖かい目で読んでいただけると幸いです。

「だからね、私、死ぬのが夢なんだ」

そうやって君に笑顔で言われたあの日から、俺と君の物語は始まったんだ。








「カズっ、カズっ!お前いい加減に起きろっ!」

「痛っ!」

「お前いつまで寝てんだよ授業終わったぞ」

「そ、そうか…」

何故かその時自分の目には涙が溢れていた。嫌な夢でも見たんだろう。

寝てる間に授業が終わっていたという幸運に恵まれ、早急に帰宅を開始することが出来た。教室を出て、ロッカーから靴を取る。校舎を出るとセミの鳴き声が聞こえるセミの声が聞こえるだげ本当に暑い。グラウンドを覗くと誰もいなかった。ここ最近、俺の通ってる高校はテスト週間で部活がない。自分の大好きなサッカーが出来なくなるのは割と辛いし、本当に毎日が楽しくない。あと2日でテストが始る、テストが終われば夏休みだ。夏休みは本格的に部活に打ち込める、部活に入って2年目だ、後輩の指導もあるが、何より先輩の総体がかかっている、きっと俺も試合には出ることになる。何としてでも今年の夏は勝たなきゃいけない。

いつもの事だが、帰り道が長い。俺の住んでる町はいわゆる田舎ってやつだ。信号もなけりゃ自販機なんてありゃしない。この夏にこの環境は地獄に等しい。しかしこの町に住んでもう17年ってところだ、こんなことには慣れている。唯一この町の最先端と言えば、遠く向こうに見えるロケットだ。この町にはもうすぐ月に向かうロケットがある。このロケットの打ち上げに成功すれば、人類は新たな希望を見いだせるだろう。なんてテレビで言ってた奴がいたのを思い出した。打ち上げは…確か明日、ロケットの打ち上げは皆で見ようって約束してることを思い出した。とか考えてたらもう家だ。俺の家は一軒家、田舎ってのもあって割とでかい。

「ただいまー」

「おかえりー!」

なんでお前がいんだよ。玄関を開けると幼なじみの堀川ナツミがいた。

「何しに来たんだよ」

「暇だったから来た、あんたんち玄関鍵かけないし」

「あっそ」

俺ははっきり言ってナツミのこうゆう自由な性格は好きじゃない、いつも俺の気に触る。そもそも、暇で友人の家に来ることがあるか、普通は無い。いや、ありえない。

「カズ君は祭り行く?」

そういえば夏休み初日はこの町の山で毎年恒例の盆踊りが開催させる。今年こそは彼女と行きたかった思いをナツミに伝えたところで、恥をかくだけなので、ここはクールに対応しておこう。

「あぁ行くかもな」

「誰と?」

なんだ、今日のナツミはしつこい。誰と?なんて聞くことじゃないだろ、まさかコヤツ俺をけなしに家まで来たのかっ!2歳からの仲だが、こんな悪女に育った覚えはない。

「友達と行くよ」

「あ、そう」

「なんだよ!聞いといてその反応はねぇーだろ!」

「別にっ」

なんだよ、ますます腹が立つ。ナツミの顔が赤い、なんだコイツ怒ってやがんのか、今怒ってんのはこっちだってのに、本当にナツミのことは分からん。

「お前テスト前だろさっさと帰って勉強してろ」

「あっそ」

ナツミはそう言うと早歩きで部屋を出て俺の家を出ていった。

「バタン!」

思いっきり強く玄関を閉められた。

「俺なんか悪いことしたかなぁ」

わからん女はわからん永久にわからん。時計を見るともう7時だった。今日は両親が家にいないので、作り置きのご飯を食べる。

美味いやはり美味い、我が家の飯は作り置きしても美味いのだ。俺は両親には感謝してる。特に父親にはだ。俺の父親はおれが小さい頃からずっと一緒に遊んでくれていた。今してるサッカーに出会ったのも父のおかげだ。だから俺の夢は父に全国を見せてやること、全国大会に出て俺のシュートを見せてやることだ。これが俺の夢であり。生きがいでもある。そして今日も飯は美味い。

今日は歯を磨いて勉強するつもりだったが、ナツミのことで疲れたので寝ることにした。外から虫の鳴き声が聞こえる。

「夏だなぁ」

そうやって思ううちに睡魔が襲ってきて、俺は眠った。





「カズー!カズー!起きなさーい!」

「うっ…うっせーなぁ…」

いつもどうりうるさい母の声で目が覚めた。

「あんた今日ロケット打ち上げだよ!もうすぐ始まるんだからさっさとせんか!」

そうだったロケットだロケット。パジャマのまま外に出て母と見ることにした。おれはあんまり興味ないけど母は人一倍楽しみにしていた。父は既に出勤している。そう、何を言おう父は遠い向こうのロケット発射場で働いているのだ。母いわく、もうあと10分もしないうちにロケットが発射するらしい。少し、少しだけど楽しみだ。空もよく晴れている。

「あんたしっかり見とき!」

「お、おう」

やはり今日の母は一段と盛り上がっている。あっという間に10分が経ち、カウントダウンに入った。

「3、2、1発射ー!」

めちゃくちゃでかい母の声と共に大きな風が吹いてきた。煙から現れたロケットが真上えと飛んでいく、そして空の彼方へ飛んで…あれ、その瞬間俺は異変に気づいた。母の顔もおかしい。ロケットが止まった。今空のうえで止まった。この後起こることは容易に想像できた。ロケットが真下に落ちる。あっという間にロケットは降下し、目の前で爆発した。とんでもない爆風が俺たちを襲った。ロケットの発射場が遠いこともあって俺達の住んでる地域で怪我人が出ることはなかった。

1つ言うならその日、俺の父親が死んだ。


「起きなさーい!」

「…」

起きたくない。学校に行きたくない。母は父が死んだのにとても元気にしている。訳が分からない。2日前に葬式が終わった。今日は終業式だ。俺の生きがいが無くなった。サッカーしても1番見せたい人に見せれない。もうサッカーしてる意味なんてない。昨日退部届けを出した。顧問には色々言われたが、サッカーをしたくないと自分が思ってる以上いいプレイは出来ないというと悲しそうに受け入れてくれた。チームメイトには事情を、説明したけど誰も受け入れてくれなかった。ほとんど喧嘩気味で退部してきた。だからもう学校にも行きたくない。なんなら生きたくない。俺の生きがいはもう無いんだ。

「カズ!あんたはよ支度して、出んか!」

母に叩かれて、仕方なしに支度をして、玄関へ向かった。玄関を開けると蝉がうるさい。日が眩しい。本当に生きる意味が分からなくなってしまった。俺は学校には向かわず、祭りのある山に向かった。この山で有名な2000段の階段を登った先に大きな広場がある。まだ朝だから誰もいない。さらにこの広場より上に行くと、ここらじゃ有名な自殺スポットに行き着く。おれはその時何故か、無意識に広場より上の方へ足を進めた。また階段を登り、とうとう着いてしまった。ここは柵がない広場で落ちれば即死の高さだ。端は崖になってる。そこにはベンチが一つだけあって。こんな噂もある、時よりこの広場には白髪の少女の霊が出るらしい。俺は霊とかそんなものは信じないだって目に見えたことがないからだ。でも今は信じようと思う。なぜなら今横に座ってるのが白髪の少女だからだ。

驚いた。普通にベンチに座ってたら横にいたんだ。病んでることもあってか驚かない。

「貴方私が怖くないの?」

目が綺麗な黄緑色をしている。

「別に」

「貴方死にたくてここに来たんでしょ?」

「違う、何となくだよ」

「貴方の目が生きたくないって言ってる」

「なんだよそれ」

なんだコイツ気持ち悪い。病んでるからか本当に普通に話してしまう。

「いいよね貴方は崖から落ちれば死ねるんだから。」

「なんだよ、自分は死なないみたいな言い方しやがって」

なんだコイツ漫画の見すぎか、わけがわからん。それになんでこんなに楽しそうに話してんだよ。


「私ね死なないんだ。」

「は?」

「私ね死なないの」

「は?」



「だからね、私、死ぬのが夢なんだ」


これからカズヤと200歳jkの青春が始まるので、ぜひぜひお楽しみに!読んでくださりありがとうございます。

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