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黒霧

今回は少し過激です。

「儂は絶対に行かぬと言っておるのに。あまり好きではないが多少力の差を見せにゃならんの。」


「なれば私めも心苦しいのですが・・・全力でお相手いたします。さあ、どうぞ!」


エルザは不気味な笑顔をしていた。


サンダードラゴンは口から無数の雷撃の弾を放つ。


閃光のようなスピードでドラゴンの周りを走り、的を絞らせない。


「ちょこまかと動きよる。やはりこの姿では不利か。」


サンダードラゴンは尻尾を払い、砂埃でエルザを覆う。


だが、サンダードラゴンにエルザが空中から翼に斬りかかった。


その時、サンダードラゴンの体が光る。


「まずい。何かくる。もういい。」


危険に感じ回避しようとしたエルザだが、空中にいたために避けることが出来ずそのまま斬りかかった。


だが、斬ったのはただの電撃だけだった。


「どこに・・・。」


「ここじゃよ。」


砂埃が散った中から出てきたのは、緑色の髪と黄色と黒目のオッドアイをした人型の男性が姿を現す。


「これで格段に動きやすくなったわい。さすがに素手だと辛いからの。」


サンダードラゴンが手を空に向けると雷が落ちた。


手には雷撃を纏った刀が現れた。


「そのお姿もまた神々しいながらも親近感の抱ける素晴らしいお姿だと思います。」


「第二ラウンドじゃ。」


サンダードラゴンも電光石火の如くエルザに向かって突撃していく。


エルザもそれを迎え撃つ。


白狼は微かに二人を捉えることが出来たが、常人には所々で剣の火花が見えるだけであった。


「そろそろ決着をつけさせていただきますよ。」


エルザは剣に炎を纏わせる。


「この剣はファイアードラゴンの牙を使用し、この世界一と言われている刀匠に鍛えられた剣です炎を纏わせることで本来の、そうまさにサンダードラゴン様が今使っておられる刀の何倍もの力を発揮できるのです。いきますよ。」


エルザは真っ向から斬りかかった。


「・・・えらく龍種を甘く見られたもんだ。」


エルザが中間地点まで走った時、地面から黒い雷撃が飛び出しエルザの周りを覆う。


「まんまと儂の罠にかかったの。」


「こんな小細工・・・。」


エルザが雷撃を斬ろうとした。


ビリビリビリッ


「があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛。」


エルザの体に黒い電撃が走る。


「これは特殊な電撃での龍種だけが使えるもの。簡単に帰れると思うなよ。殺しはせんが儂の安らぎや平安を奪うものは容赦せぬ。体に思い知らせてやる。」


サンダードラゴンは次々と地面から黒い電撃をぶつける。


「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛。」


「お主は儂ら龍種の逆鱗に触れたのじゃ。そこで反省しとけ。」


黒い電撃の檻の中エルザは電撃で苦しめられていた。


「さあ、治療の続きじゃったな。」


サンダードラゴンは優しく笑顔だったが俺は安堵と軽い恐怖、それと同時にエルザに軽い同情のようなものを覚えた。


サンダードラゴンはまた可愛らしい姿になり、俺の膝で電撃治療を始めた。


その頃 宗教国家グラディアル

「これは怪奇だ。だが、きっと神の救いがあるはずだ。だから泣くな息子よ。」


「ああ、神様どうか我々をお救いください。」


あちこちで神に祈りを捧げていた。


国中が恐怖のどん底にあった。


その理由は国を包んだ黒霧と夜に少しずつ消える民衆であった。


日に日にその数は増えている。


神殿内

神官長

「おい、何をしている。何の為にドラゴンや精霊たちを捕らえていると思っているんだ。今こそ使うべきだ。民衆も神としてきたドラゴンや精霊の救いを待っている。」


「ですが・・・わかりました。今、冷凍状態の眠りから覚まさせます。」


「ああ。それと奴隷紋をきちんと魂に刻み込んどけ。」


「ですが、それがもし民衆にばれたら。」


「問題ない。希望を見せるだけでいい。その間に調査を進めろ。原因をなんとしても突き止めるんだ。」


「わかりました。」


ドラゴン一匹と精霊5匹が目覚める。


奴隷紋を刻まれたドラゴンや精霊が国に現れたかのように演出するはずだった。


だが、最初は言う事を聞いていたドラゴンが抗い始め町を襲い始めた。


民衆は逃げず神罰だと言って動こうとせず全てを受け入れていた。


「どうした。ああ、国が。もうダメだ。優秀な騎士たちも相手にならない。」


「アハ。さすがにこれはまずいわね。」


「お前。どこから。」


「どうも、結衣です。この黒霧の生みの親で~す。」


「お前が。お前さえいなければ!」


「今はそれどころじゃないの。」


結衣は神官長を影で刺し殺した。


「アハ。どうしよう。魔王様がドラゴンは保護対象だって。でもこの黒霧は一度発動するとその地域一帯の魂を喰らわないと止まらない。しかも強い魂を求めて喰らっちゃうから絶対に今夜ドラゴンを喰らっちゃう。今日の発動まであと1時間。無理だ~。仇まだ討ててない。白狼ごめんね~。後は頼んだ。」


何も打つ手のないまま一時間後、ドラゴンの魂を結衣は喰らった。


「アハ。アハハ。アハハハハハハハハハハッ。アハハハハハッアハハハハハ。楽しい~。みんなみ~んな消えちゃえ~。アハハハハハ。」


国の国境を越えて黒霧が少しずつ拡大していく。


結衣はドラゴンの魂を制御できずに暴走を始めた。


昨日もお伝えいたしましたが8月19日から数日間活動できません。楽しみにしていただいている方々には大変申し訳ありません。

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