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ドラゴン

エレキマウンテン

山の上層部が暗雲で覆われており、絶え間なく雷が鳴り響いている。


「ここがエレキマウンテンか。急いで登ろう。」


俺は山を登っていく。


途中で電撃を纏ったモンスターが現れるが相手にしなかった。


2時間程で山の中腹にたどり着いた。


そこから先は雲のせいで視界があまり良くない。慎重に進まなければ。


30分ぐらい歩いた頃だろうか。ひっそりと声が聞こえる。


「何をしに来た!獣人のの子よ。今すぐここを立ち去れ。さもなくば・・・」


ドン ドン ドン


俺を囲むように雷が落ちる。


「どうする?このまま帰るのならば命は獲らぬ。」


「俺は怪我の治療の為に会いに来たんだ。サンダードラゴン!」


「治療とな。・・・嘘は言ってはおらんようだ。どうやらやっとまともな奴が来たか。早く登ってこい!」


雷が止み登りやすくなった。


1時間後

「こんにちは。獣人のの子よ。最近儂も気が立っておってな。どうか許して欲しい。」


「いえいえ。こちらこそ。良ければ姿を見せてはいただけませんか?」


「儂ならすぐ目の前にいるぞ。下じゃよ。し・た。」


そこには猫ほどの大きさの翼の生えた黄色いドラゴンがいた。


「ほっほっほ。驚くのは分かるがあまり甘くみないことじゃ。本来の姿ではないからの~。して、治療と言っておったが・・・魔力系統の回路が壊れておる。種族的にも不得意であろうにどんな使い方をしたのじゃ。・・・精霊か。」


「はい。ですがよく見ただけでそこまでわかりますね。」


「君の体の魔力量の少なさではこうはならぬ。さすれば第三者を疑うのは当然のことである。この症状は昔から何人も見てきた。獣人は初めてだがな。」


「サンダードラゴンさんはもっと怖いものだと思っていました。」


「儂らはどの種族とも友好的だぞ。だが、最近変な人族が儂を捕まえようと山へ踏み込んでくるからの。さっきも言ったが少し気が立っていたのだ。許して欲しい。」


「そうですか。今とても罪悪感を感じています。あなたの血を飲むなんて。」


「誰じゃそんな恐ろしいことを言っておるのは。儂の眷属にでもなりたいのか。やめた方がええ。その体で何千年という無限にも思える時間を生きるのは苦痛以外の何物でもない。安心せい。そんなことせんでもきちんと治してやる。こっち来て座れ。」


ドラゴンに近くに座る。


ひょこっとドラゴンが膝の上に座ってきた。


「いくぞ。最初は驚くと思うがの。じきに慣れる。」


体に僅かな電流が流れる。それは二時間に及んだ。


「これを数日三回行えば治るだろう。」


「はい。」


とても気持ちの良いものだった。

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