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人魚

元クリスト国 

俺は獣人の統率のために国政に力をいれていた。

国を豊かに、広くしなければこれからまだまだ増えるであろう人口に備えている。

人材が必要となった。


武官や文官を選抜しなければならない。


この国の人口全てが戦力として成り立つほどの身体能力を持っている。

武官に必要なのは戦場での対応力だ。


とりあえず今まで戦争で中将についていたダルを任命した。

一時的な解決策だがまだましだろう。


文官には国に遣え政治にも携わっていたメシを任命した。


その他は一般市民だったものや子供だったために教養がなく、また奴隷生活が長かった為に光を失っている。リハビリも必要である。

女性の精神的・肉体的苦痛の改善もある。

課題は山積みである。

そんな中、魔王城から呼び出しがあった。

今は忙しいと言うのに。


魔王城

魔王のいる部屋に入るとそこには大きな水槽があった。


「おお。来たね。こっちこっち。この子に会わせたかったんだよ。」


そこには金色の髪に青い瞳、透き通った肌、そして一番の特徴である腰から下のヒレ。

そう人魚である。


「初めまして。わたくしは人魚のソフィアです。よろしく。」


その声はなんとも言えない柔らかな声だった。


「ソフィアさんたち人魚は声を操ることで人々を癒したり、または惑わしたりするんだ。今回はこの人魚の国と友好を築こうと思って来ていただいたんだ。こちらさっき話した白狼。今は獣人の国の統治を任せているんだ。」


「ソフィアさん。是非私の国に来ていただけませんか。」

俺は頭を下げる。


「やめてください。急にどうしたんですか?」

「そうだよ。急に。」

「実は戦争で傷ついた者たちが多く特に女性や子供たちの心の傷は深く少しでもあなたの声で癒されればと思ったんです。どうか私の国に来てもらえませんか?」

少し困っている感じだった。

元クリスト国と海はかなり離れたいる。

「いいですよ。そのかわり運んでいただけますか。」

「ふっふふ。転移魔法を使えばいいじゃない。」

魔王がどや顔で言っている。

その手があったか。

「決まりですね。お願いします。」

「はい。わかりました。」

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