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地下牢の中


意識が戻った。

そういえば、さっきまで母に捕まっていたはずなのに。

ここは、どこだろう。

暗いし、寒いし出ることもできない。

ラルはただただ泣くことしかできなかった。


その日の夜


「ただいま」

「お帰りなさいませ。旦那様。いつもお勤めご苦労様ですわ。」

「あれ?ラルは?」

「もう遅い時間ですので先に寝かせましたわ。」

「そうか。なら夕食にしよう。」

「わかりました。すぐに用意させます。あ、旦那様、実は今日ラルがですね、その妹が欲しいと。なので、その」

「わかった。それも準備しといてくれ。」

「     はい。」

メイドみたいに精神魔法が効けばこんなことしなくてもいいのに。

マリーは準備をした。自分(旦那)を殺す準備を。

入れ替わった時にすぐ手に取れる位置にナイフを置いた。


深夜

「マリー。来たぞ。」

来た来た。馬鹿な旦那様。今日があなたの命日になるとも知らずに。

「さあ、マリー。」

「抱いて。旦那様。」

「ああ。」

マリーを抱いたその時だった。

二人の体がどす黒い瘴気に包まれた。

そして、二人の魂が口から抜ける。


「なるほどね。これで、相手の体に入れば、  入れない!どうして。あ、あれ頭がボーっとしてきた。どうして。嫌だ。死にたくない。こうなったら、元の体に  戻れない!ゴアー。」


「む、何だこの感覚は?あれ、私とマリーの体が下にある。どうなっているのか。まさか、死んだのか。そうか。もう一度ラルの顔見ておくんだった。今日は、冷静でなかったからな。ぐ、ゴアー。」


二人とも元の体に吸い込まれていく。

二人は生きていた。

だが、ただ生きていただけ。

もう目覚めることはない。


次の日の朝

「旦那様 奥様朝食の準備が出来ました。旦那様奥様、服を着てください。って、旦那様!奥様!しっかりしてください。」


最悪の状態で見つかってしまったがもう二度と意識の戻らないのが救いだろうか。

このレグール家の事件は秘密裏に王の耳に届くこととなる。





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